2014年02月25日

人類を脅かし続ける恐怖の病原体:

身近に感じる恐怖の病原体・・・
   

事実は小説より奇なり」などと言うが、私は個人的には逆の感慨を持っている。

予想だにしない突発的大事件が発生すると、我々はそれこそあたふたするわけであるが、よく考えてみるとこれは映画か小説のストーリー展開とよく似ているではないかとはっとするときがある。
それこそ「映画や小説を地で行く」ということも結構あるわけである。

ペット用の珍しい猿がアフリカから密輸される。検疫を受けていないからまさしく密輸である。

その猿はある恐ろしい未知の病原菌(ウィルス)を持っていて、接触した人間に次々と伝染して急激な感染症状をもたらす。

感染者は短期間に発熱、嘔吐、全身に赤い発疹と出血症状が現れて死亡しはじめる。

もう町中がパニックである。ついに政府は軍隊を出動させる。
軍隊はこの猛烈な感染力をもつ伝染病を駆逐するために、空爆で一挙に病原菌ごと町を吹っ飛ばすという対応に出ようとする。

つまり、この映画「アウトブレイク」の現実版が、皮肉にも驚くべきタイミングで再度アフリカに登場したことがほんのこの前に起こったことはいまでも記憶に新しい。

以前よりアフリカ・ザイールで局地的に流行しているこのエボラ出血熱の登場はショッキングであった。(リチャード・プレストンの「ホット・ゾーン]も参照されたし)

当時は現地ザイールでも軍隊が出動して、人口四、五十万の町は道路封鎖、もしくは完全に包囲されてしまった模様は世界中に報道された。

その際WHOも迅速に活動を開始したことからみても、この感染症の蔓延は深刻な事態を招きかねない危険性を秘めていた。

急激な病原菌の蔓延ということで想い出すのは、小生の場合まず「アンドロメダ病原体」(マイクル・クライトン、1969年作)というSF小説である。これもやはり軍隊が同じように出動する。

アリゾナの平和な田舎町に人工衛星が墜落して、回収に向かった部隊からの連絡が途絶えるという異変が発生するという場面から始まる。

町の住民も回収部隊のチームも死亡しているのが探索機のパイロットによって上空から確認される。

衛星が地球圏外で未知の病原体と接触し、そのまま地上に落下したらしいということで、直ちに緊急体制が取られる。

ここからのアメリカ政府の危機管理の推移が非常に興味深い。
終いには、町もろとも未知の病原体を核爆弾で焼き払おうとするわけである。

これが「アウトブレイク」に先立つこと二十四、五年前に読んだSF小説であった。


さらに二十年後に発表されたマックス・マーロウの「レッド・デス」も凄かった。

南極の氷河の下から十万年前の絶滅したオオナマケモノの死体が発見される。
地上最大の巨大な(三十フィート)標本として世界中の科学者に注目されるが、移送作業が難行する。

そのままだとやがて腐敗し始めるということでその場で解体したのだが、巨大生物の内蔵だけは処理できずにそのまま海中に投棄されてしまう。

実はこの捨てられた内蔵の中に太古のウィルスが凍結したまま生存していたのである。

この内蔵を海中のオキアミが食べ、さらに鱈が食う。やがてそれらの鱈は漁師に捕獲され食用として市場に登場してくる。

未知のウィルスはこのようにして人間のあいだに蔓延し始める。

感染すると体内で赤血球が猛烈な勢いで増殖し、血管を破綻させ出血とともに死に至る恐ろしい伝染病が発現する。

このウィルスは村から町へと広がり、ついには南半球全域が壊滅する。
小説の中では経済大国日本も敢えなく全滅する。

この後も残った人類が殺人ウィルスの猛威にどう対決するか、そうしたスリリングな展開が読者を待っているというわけである。

こうした発想は欧米人の潜在的危機感に繋がるものかもしれないが、やはり明確な歴史的危機意識が根底で働いているといえるのではないかと思う。


そうした類の伝染病の猛威といえば、ヨーロッパの中世末にペスト(黒死病)の猛威が各都市を周期的に襲った歴史がある。

ペスト菌がヨーロッパに到達したのが1340年代であったが、5年間でおよそ3000万〜5000万人が死亡した。

これは当時のヨーロッパの人口のほぼ半分に当たる犠牲者数であって、いかにペストの猛威が激烈であったかが窺える。

各都市では城門を閉ざして恐ろしいペストの流入を防ごうとしたらしい。
いまでいう道路封鎖というところである。
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当然そこには外部と隔離された世界が出来る。
ここらに多くの小説家が食指を動かす題材があるというわけである。(カミュの「ペスト」などが有名)
城壁の外ではいよいよぺストの蔓延が猛威をふるい死者が溢れかえる。

ところが、その隔離されて安全と思われていた城内でもついにペスト患者が発生するという破滅的展開である。


あの有名なノストラダムスも当時のこのペスト感染で最愛の妻子を亡くしている。

人々はペストを恐れて都市から次々に逃げ出していく。それこそ無人の町が無数に出来ることになる。

そのような状況で、もっとも頼りにされたであろう教会の牧師や医者までが命惜しさに吾先に逃げまどう。
そうした混乱した状況は、人々の従来の社会的権威に対する不信へと繋がっていった。

それこそ科学万能の時代のように思われている現代にあっても、おそらくは新型インフルエンザや強力な感染症を前にすると人間本来の無力さが露呈されてくるはずである。

危機管理や情報に目敏い金持ちは、こういうときも対応が早い。
馬車に飛び乗っていち早く安全な地方に逃避することができるが、多くの貧乏人にはその手だてがない。当然、犠牲者も彼らに集中する。

こうした歴史は繰り返されてきたことも事実である。
ヨーロッパでは発疹チフスやペストといった疫病が十年周期ぐらいに人々を襲い、都市の人口が激減するという暗黒の時代が過去には何度もあったわけである。


このような新たな病原菌の出現は地球的な大気汚染や気候の変化にも関連しているのかも知れない。
熱帯地方の風土病と思われていたものが、突如としてそれまで温帯地方とされていた都市部でも発生し始めることも考えられる。

さらに、抗生物質に耐性のある病原菌が21世紀には爆発的に増加する可能性が出てくるという予想に立てば、結局現代医学の目指してきた感染源の病原体を抗生物質で叩くという薬物医療は大きな打撃を受けることになる。

ここで感染が阻止できなければ、これがもっとも恐ろしい人類存亡の事態であろう。

SF小説が先か後か、考えてみるのも面白い。

リンク情報 PM2.5汚染・感染症対策


【Technobahn 2007/8/9 15:23】米ラトガース大学(Rutgers University)の研究グループが南極から採取した氷に閉じ込められていた800万年前の微生物の解凍に成功していたことが7日、米国科学アカデミー紀要(PNAS)に掲載された論文により明らかとなった。  この研究を行ったのはラトガース大学のKay Bidle教授を中心とする研究グループ。   Bidle研究員は南極のBeacon渓谷とMullins渓谷での氷河の表層から3〜5メートル下にある今から10万〜800万年前の氷を採取し、氷の中に閉じ込められていた当時の微生物を解凍して復活させることに成功した。  解凍した後、10万年前の氷から採取された微生物は7日ごとに倍の大きさに成長。一方、 800万年前の氷から採取された微生物は30〜70日ごとに倍の大きさに成長することが確認されたとしている。  研究グループでは800万年前の微生物の成長が10万年前のものと比べて遅いのは、氷に閉じ込められている間に受けた宇宙線の影響でDNAに損傷を受けたためではないかと見ている。

【2013年3月8日 AFP】ロシアの科学者らが南極の氷底湖、ボストーク(Vostok)湖から採取した水の中から、全く新種のバクテリアを発見したとロシア通信(RIA Novosti)が7日、報じた。  ペテルブルク核物理学研究所(Petersburg Nuclear Physics Institute、PNPI)遺伝学研究室のセルゲイ・ブラト(Sergei Bulat)氏(遺伝学)によると、見つかったバクテリアのDNAは現在確認されている地球上のどのバクテリアとも異なっていたという。「われわれは、この生命体が『未分類』で『未確認』のものだと考えている」(ブラト氏)





3万年前のウイルスが復活、シベリア永久凍土で発見 研究

http://www.afpbb.com/articles/-/3009728









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    ラベル:病原体
    posted by モモちゃん at 09:14| Comment(0) | 歴史を先取り | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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