2014年10月08日

藤原陳忠による平安時代のキノコ狩りの文献記録について

「スギヒラタケを食べた秋田県内の20代の男性が急性脳症を起こしたことが分かり、県は注意を呼びかけている」というニュースを目にした。

きのこが発生する時期になると毎年こうした食中毒の事故が出てくる。



「スギヒラタケ」を食べたというのを見てふっと平安時代のきのこ狩り名人の藤原陳忠のことを思い出した。

「今昔物語集 巻28 「信濃守藤原陳忠落入御坂語 第三十八」 に紹介されている逸話であるが、これを最初に読んだとき藤原陳忠という人物に好感をもった。

まさに平安時代のナチュラリストというべき人物である。


以下は「今昔物語集」に収録されている可笑しな逸話である。

当時信濃守を任されていた藤原陳忠は任期を終えて京の都に帰る途中であったのだが、そのとき陳忠は馬に乗って数人の従者を従えて御坂峠を越える途中であった。

そこは危険な崖っぷちで、深い谷のそばを通りかかったのである。

そのとき、ふいに陳忠が乗っている馬が足を滑らせてしまい陳忠共々谷底へ転落してしまった。

ここから転落してはとても無事で済まされることはなく、主人陳忠が生きているように
は思えなかったが、従者たちが深い谷底を覗いていると下からかすかに呼ぶ声が聞こえてきた。

なんと陳忠は生きていたのだ。

谷底へ転がり落ちた陳忠は、このとき落ちながらも崖に生えていた木を必死に掴んでどうやらそれ以上の落下を避けることができたのだった。

乗っていた馬の方はそのまま谷底へ転落した。

陳忠は近くの枝を足場にしがみついたのであるが、するとその急な崖の斜面に珍しいヒラタケがびっしりと生えているのに気がついた。

ナチュラリストで食通の陳忠はそのヒラタケが美味であることを知っていた。
しかもそれがきわめて入手し難いキノコであったのだ。

陳忠は従者に縄と籠を下すように命じると、この得難いチャンスを逃すまいとばかりに生えているヒラタケをかき集め、これを手土産にしながら従者の下ろした籠でどうにか救出されたのである。

陳忠は命が助かった上に珍しいヒラタケも手に入れて満足気だったかというとそうではなかった。

崖の下にはまだ沢山のヒラタケがあったといい,それを採り残してきてしまったことが「とてもくやしい」、となんとも強欲なことをいうのでまわりは呆れかえってしまう。

それほどにヒラタケは、陳忠にとって美味しい食材であったということだ。

まあそれでも、陳忠は傷だらけになりながらも珍味でもある珍しいヒラタケの収穫に成功したわけで、自分が命拾いしたこと以上にこのとき思いがけずキノコ狩りが出来たことがよほど嬉しかったらしく、その経緯が面白おかしく古典文学にもしっかり収録されているわけである。
























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    ラベル:藤原陳忠
    posted by モモちゃん at 10:10| 歴史発見 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする