2017年09月21日

始めて観た文芸作品『糞尿譚』は傑作だった!

小説世界が再現された瞬間!

突然「商店街でバキュームカー爆発、容赦なく降り注ぐ「黄金の雨」・・・中国報道「悲惨すぎて直視できない」=広西サーチナ 2014年12月29日(月) 」

あたり一面に、容赦なく降り注いだ。“黄金の雨”だ。商店も屋台も、人々も浴びて染まった。商店が連なる一体だ。茫然とする人がいた。口と鼻を押さえて逃げる人もいた。広西チワン族自治区河池市の商店街で26日、バキュームカーが「爆発」した。事件直後の画像が公開されたが、「悲惨すぎて直視できない」と表現したメディアもあった。」


 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20141229-00000269-scn-cn

2011年1月26日には、中華人民共和国の広東省広州市海珠区において、バキュームカーのホースが爆発する事件が発生。現場では汚物が近くの民家にまで飛び散り、「汚物の川」が流れ、天まで立ち上る臭気が漂ったという。なお、バキュームカーの運転手は屎尿を盗もうとしており、ホースが爆発した後は汚物を撒き散らしながら逃走した。


そのニュースというのは、中国で糞尿を満載したバキュームカーが街中の商店街で突然爆発したというものであった。

街中だったこともあって、周辺に相当な被害があったらしいのだ。

バキュームカーといっても、いまの若い人は何のことか分からないと思う。

ガソリンタンク車を小型にしたような車両で、昭和三〇年代に登場してきていた。

大きなタンクと吸引用のパイプを三輪トラックに乗せた、いわゆる特殊車両であった。

私はこの中国のニュースを目にしたとき、小学生であった7,8才頃映画館で観た白黒映画の「糞尿譚」をすぐさま思い出した。

いまから半世紀以前の昭和の文芸作品映画ということになる。

「糞尿譚」は火野葦平原作の小説であって、昭和12年の芥川賞受賞作でもあったのだ。

映画の「糞尿譚」は白黒ではあったが、当時の名優、若々しい森繁久弥や伴淳三郎が出演していた。

大人が観る社会派のコメディ仕立ての文芸作品であったが、当時子供であった私にも十分理解できるような内容の素晴らしい傑作映画であった。

現代でも充分評価される作品である。


主人公は汚物を扱う仕事に従事しているのだが、そこには周囲の人々の偏見や社会的にも抑圧された世界があった。

主人公は仕事として日々懸命に努力するのであるが、公共性がある一面その裏では町の権力者らに馬鹿にされいいように利用されていく過程が、私のような子供が見ていても分かるのである。

糞尿処理といっても当時の日本は下水道設備もバキュームカーもないような時代であったが、地方では農家の人がリヤカーに大きな桶を積んで人力で運んでいたような記憶がある。

今と違って当時は糞尿そのものが肥料として重宝されていたのである。

昭和30年代になって、ようやく地方でも衛生社のバキュームカーが普通に見かけられるよになった。

当時としては画期的なことであった。

そうした時代背景がその映画には反映されていたのだと思う。

映画「糞尿譚」では、人のいい糞尿汲取業の主人公が町の権力者や頭のいい者に騙されうまく利用されさんざんに虐げられるのである。

糞尿汲取業も次第に公共性、社会性ということで利権が絡みだすと、手のひらを返したように権力者側の対応が変わり、さらには主人公から仕事を奪い取ろうとする。

ここらは子供にも分かる場面展開であった。

最後には耐えに耐えた主人公の怒りが爆発する。

主人公は肥え樽に糞尿を満載したままトラックで街中を走りながら、それまで彼を散々馬鹿にしてきた人々に向かって糞尿を豪快に撒き散らす。

このときトラックの運転役は森繁久弥だったろうか!

だとするとトラックの荷台から杓で糞尿をまき散らしていたのは伴淳三郎だったのだろうか?

にぎやかな街の中心部も糞尿がまき散らされる。

騒ぎで表に飛び出してきた町の顔役や主人公を冷たくあしらった芸者衆にも容赦なく糞尿が襲う。

このとき映画館内が大いに沸いたのを思い出す。

おなかを抱えて大笑いしたのを覚えている。


当時の映画は白黒であったからこうした作品も造り得たのだと思う。

カラー作品だとリアル過ぎて、とてもではないが無理だと思う。

今回の中国のニュースもおそらく報道規制が掛かっていたのではあるまいか。


原作の「糞尿譚」もすこぶる傑作である。

この作品は青空文庫に収録されている。

是非この機会に一読されたし。



「青空文庫」糞尿譚 火野葦平 

 http://www.aozora.gr.jp/cards/001488/files/51168_53838.html






















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posted by モモちゃん at 07:43| 歴史再発見 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする