美女に押しかけられた話!
戦国時代の肥前の龍造寺隆信といえば、きわめて残忍な武将であったと伝えられている。
その龍造寺隆信の母といわれるのが、慶ァ尼(1509〜1600)である。
慶ァ尼は本家村中龍造寺16代当主胤和の長女として生まれ、分家の周家に嫁ぎ嫡子隆信を産んだ。
九州も戦国真っただ中にあったが、隆信は幼年期には寺に預けられたため一時期僧籍に身を置いていた。
天文14年(1545年)に夫であった周家が殺されたため慶ァ尼は出家した。
さらにそれに続いて龍造寺本家一族が謀略により殺されてしまうという悲劇が突然襲い、結果的には生き残っていた慶ァ尼の息子隆信が龍造寺本家そのものを継ぐこととなる。
成り行きで本家を継いだこともあって信隆の下では本家家臣団のまとまりも覚束ない状況にあったため、慶ァ尼は献身的に息子信隆を背後から補佐し続けなくてはならなかった。
息子信隆は僧籍にあったとはいえ、もとより武将としての器量も兼ね備えていたのであるが、母慶ァ尼からみると次第に信隆には危うい部分があることに気付き始めていた。
大将として武将を束ねるのに寛容さに欠けるだけでなく、部下や国人に対するのにあまりにも猜疑心が強すぎ配慮に欠けている。
このままでは隆信の代で龍造寺の家は絶えるやもしれない。
賢明な慶ァ尼は、隆信の冷徹な性格や粗暴な一連の所業を知るにつけ母として常々憂慮していたのである。
そのことがあって慶ァ尼は、はやくから優秀な補佐役となる人物を隆信の側に置くべく陪臣の中からそうした人材を探し求めていた。
そのような折、隆信の従兄弟筋に当たる年下の鍋島直茂が14歳当時から隆信の近習の一人として仕えていたのであるが、あるときその実直な直茂の気質に慶ァ尼の目がとまった。
直茂は、武将の子らしく誠実味があって周囲の者に臆するところがない。
乱暴者の信隆にも機転のきく直茂はよく仕えたし、信隆とも馬が合って格別可愛がられてもいた。
しかも直茂は武勇にも秀でていて、戦場でも殊のほか戦上手でその都度連戦連勝の武勲をあげており、すでに家中でも名将との声も上がっていた。
もとより鍋島家は龍造寺の陪臣として仕えてきた家であり、龍造寺家が存亡の危機にあった時代も常に支え続けた忠臣であった。しかも直茂の父・鍋島清房は若い信隆の後見役を務めていた。
龍造寺に鍋島父子が味方し続ける限り、他の陪臣も国人らも離れることはないはずであると慶ァ尼は考えた。
慶ァ尼は息子信隆が継いだ龍造寺家の支配を盤石のものにするには、この鍋島父子の助力が是が非でも必要であることをこのとき あらためて確信したのであった。
そこで慶ァ尼は一計を案じた。
(画像は佐賀城内)
直茂の父・鍋島清房が登城した折、慶ァ尼が自ら出向いて彼を呼び止めたのである。
慶ァ尼はかしこまる清房に向かって親しげに話しかけた。
「清房殿は先年つれあいを亡くされたと聞いておりますが、まだ幼子もいてさぞや男所帯で難儀されておられることでしょう。そうそうここは私がよい後添えを捜して進ぜましょうぞ」と言った。
慶ァ尼は、龍造寺家の重臣として父子共々支えてくれている鍋島家のことを気に掛けていることをここで自らの口で伝えてみせたのであった。
慶ァ尼は周囲からは龍造寺後家といわれていたが、当時47歳でありながらその容色はいまだ衰えはいなかった。
このとき艶然と優雅に微笑みかける慶ァ尼を目の前にして、清房自身は恐れ入って心中戸惑うばかりであった。
44歳の男盛りの鍋島清房にとって、主家の後家とはいえ慶ァ尼はまぶしく見えて仕方なかった。
従来より総じて肥前龍造寺家の女性は美形であるといわれ、遠国にまでその噂は広まっていたほどであった。
そのように主君の母堂から新しい妻を迎えた方が良いと諄々と説き伏せられ、清房は一方的にその気にさせられてしまっていた。
話は突然のことであったが、清房にしてみれば相手が慶ァ尼だけに強いて断ることも憚れたのである。
慶ァ尼の勢いに押された清房は、ここは相手がいることだとして顔合わせ(見合い)だけでも応じるという約束を終いには慶ァ尼としてしまったのだった。
そのように言い含められてしまったともいえよう。
清房にしてみれば突然の話であるから、とにかくこの成り行きには唐突であったこともあり戸惑うばかりであった。
それから数日後、鍋島清房の屋敷の前に前触れもなく花嫁行列の籠がとまった。
このとき清房が在宅中であったのかどうか、また清房が自ら花嫁を門外まで出迎えたのかどうかも分からない。
突然の出来事に鍋島家中が混乱したことだけは間違いあるまい。
何故に花嫁の籠が来たのか?
清房自身はいまだ話にあった婚儀相手との顔合わせそのものを行ってはいなかったのであるから、この突然の花嫁行列にはとにもかくにも驚愕したはずである。
白無垢の花嫁は籠から降りると案内も請わずに屋敷内に自ら入っていったから、家中の者も戸惑い驚き呆れたはずである。
籠から降りた花嫁はそのまま奥の座敷まで進んでいって清房と顔合わせしたかどうかは定かではないのだが、すでに花嫁衣装で屋敷に入ったことは傍目にも婚儀が成ったものとここては受け取らざるを得ない。
こうした展開に当の清房はすべて慶ァ尼の指図との認識があったであろうが、とにかくこのいきなりの展開にはさすがに心底驚いたはずである。
清房からみれば、まったく事前連絡もないままに事は進められたのだ。
家中が右往左往する中で、清房にはさらに驚愕する事実が判明する。
その肝心の花嫁というのが、後添えを真剣に勧めたあの慶ァ尼本人であることが分かったから清房は二度びっくりである。
この展開に清房の狼狽する顔が目に浮かぶようである。
清房は恐れ入ってここは必死に辞退したであろうが、慶ァ尼の決意は固くそのまま婚儀は成立してしまったのである。
慶ァ尼という女性は常に胸に懐剣を忍ばせていることでも知られていたが、恐らくはこの婚儀が思い通りに成らなければ彼女自身の恥辱であるからここで命を絶つと言い切って清房の前でごり押ししたのではないかとも想像される。
このとき一方的に押しかけてきた慶ァ尼は、それほどに必死であったのだといえる。
何せ竜造寺家の命運が掛かっているとして、慶ァ尼の思いは尋常ではなかったのだ。
これによって正式に慶ァ尼は直茂の継母となり、主君龍造寺信隆とは義兄弟となったのである。
結果、慶ァ尼の狙い通りに龍造寺の盤石の態勢がこれ以降成ったのであった。
後年隆信が島津との戦に敗れ討ち死にした時、直茂を肥前統治の後継者に推したのもこの賢明な慶ァ尼であった。
母は強し、されど慶ァ尼はさらに強しというところである。
この慶ァ尼の話は後世つくられたものだという説もあるのだが、かってこの経緯を伝え聞いた徳川家康が機会あるごとに慶ァ尼の思い切った行動を称賛したとされることから、あながち作り話ではないといえよう。
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