2018年02月08日

太宰治の下宿で無頼派文学に触れる

「人間失格」が書かれた下宿

作家太宰治(1909〜48年)が下宿したアパート「碧雲(へきうん)荘」が東京都杉並区から移築されて、昨年の4月16日、大分県由布市湯布院町に交流施設「ゆふいん文学の森」としてオープンした。




RIMG0271


さっそく「ゆふいん文学の森」の様子を現地まで確認に行ってきた。

















道路沿いに案内板が立っている。

湯布院インターを降りて3分ほどのところにあった。

道路から見ると、小高いちょっとした丘の上にその2階屋はあった。






RIMG0272
























周辺は新たに山を切り開いて造成されたところで、周囲には一部工事中のところもあった。

「碧雲荘」の手前部分に専用の駐車場があった。






RIMG0265








「碧雲荘」を駐車場から見上げるとこんな感じ。












その建物は木立の中にすっくと立っていた。






RIMG0261
























瀟洒な二階屋という感じである。

敷地はゆったりとしたスペースがあって、樹木に囲まれ明るい雰囲気である。

周りの樹木が落ち着いてくると、一段と雰囲気はよくなるであろうと思う。





RIMG0260



























「碧雲荘」は、木造2階建てで、太宰が暮らした8畳間を再現していて、内部にはカフェや読書スペースが設置されているということであった。


無題1










柱や玄関のステンドグラスは当時のまま用いているとのこと。





















館内の交換型古書店「輪廻転読(りんねてんどく)」では、来場者が「他の人にも読んで欲しい」と思う本と、店内の本を交換できるとのこと。



読書家には楽しい企画である。







無題3



室内には太宰の像がある。


























カフェや太宰をモチーフにしたグッズを販売するコーナーもある。





無題

二階部分の太宰の部屋にも上がれる。

八畳の広さはゆったりとしている。
























窓からの景観もなかなかのものである。






無題11


























ここでもっとも目を引くのは、玄関先からは優美な姿の由布岳が真ん前に望めることである。

足下に月見草が咲くのかどうかはわからない。



ここからは朝日が由布岳の向こう側から揚がってくるのが見える。






RIMG0258























施設周辺には、いくつもの旅館やホテルの宿泊施設がある。

町中の喧騒からから離れていて、本当に静かなたたずまいである。

最高のロケーションである。





RIMG0264
























場所・「文学の森」(由布市湯布院町川北平原1354の26)
施設の営業時間は午前10時半〜午後5時。入場料700円(ドリンク付き、高校生以下無料)。火曜日休館。

問い合わせは文学の森(TEL0977・76・8171)











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2018年02月02日

太陽系宇宙船団が銀河を行く!

宇宙空間を飛行し続ける太陽?

太陽系では太陽の周りを地球などの惑星がほぼ一定の周期で公転しています。

同様に太陽系全体が太陽の周りを公転しつつ、銀河系宇宙の中を公転しています。

太陽もその惑星も同じ位置に留まることなく、さらに広大な銀河系宇宙の中で公転しながら宇宙船のように移動し続けているということになります。

これはとてもスケールの大きな宇宙空間の話です。



銀河系の大きさは、直径が10万光年、その厚さが最大で1万5千光年ほどあると小学生のとき本で読んだことがあります。

光の速度で10万光年間、飛行し続けていっても宇宙の果てではありません。

われらの太陽系が含まれる銀河系のような島宇宙がさらに、広大な宇宙空間にはいくつも存在しています。

この情報が今でも正しいものなのかどうかは知りませんが、とにかくこのような巨大な空間が存在していることだけは確かです。

銀河系の中心部分には銀河系宇宙の重心があって、核恒星系と呼ばれる恒星、もしくは巨大なブラックホールがあるといわれています。

この重心部分には巨大な質量があって、その重力で周りの恒星を引き寄せ、さらには太陽も公転軌道を描いて回転移動しています。

重力と引力の関係は、いまだに物理学の世界では解明されていない部分が多いとされています。

いわゆる未知の領域というわけです。

こうした銀河系の太陽の公転周期は2億年〜2億5000万年ということですので、この間地球も間接的に太陽の引力の働きのもとで、留まることなく太陽の周りにまとわり付きながら宇宙空間を移動し続けていることになります。

太陽系の惑星が公転しながら、太陽と共に銀河系宇宙を移動しているダイナミックな動画を紹介します。

これをご覧になれば、さらにしっかりしたイメージが湧いてくると思います。



The helical model - our solar system is a vortex











Solar System 2 0 the helical model














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2018年01月29日

人はなぜ人造人間を敵視するのか!

人造人間をあなたは愛せますか?

 ロボットを殴り倒した男、ロボットに通報され逮捕 ?? シリコンバレー
カリフォルニア州・マウンテンビュー(Mountain View)警察によると、4月19日(現地時間)、マイクロソフトとグーグルのシリコンバレー本社の近くにあるスタートアップKnightscopeの本社・駐車場で、警備ロボットを殴り倒した41歳のハードウエアエンジニアの男性が逮捕された。
https://www.businessinsider.jp/post-33193


「ペッパーの父は孫正義ただ一人」 ソフトバンクが要請2018年1月23日
https://www.asahi.com/articles/ASL1R4WFQL1RULFA022.html



2014年、世界初の感情を認識するヒト型ロボットとして誕生したソフトバンクグループの「Pepper(ペッパー)」は、その翌年には19万8000円で一般に販売された。

Pepperは、声、触覚、感情表現により人とコミュニケーションを図ることを目的に作られ た人型ロボットであり、コンパニオン機能が強調されている。

いよいよ人間と会話が出来るロボットが一般家庭にやってくるというわけで、人造の人型ロボットと共存するSF世界がついに出現したことになる。

動物型ロボットで癒し効果を出すというものもすでに登場してきている。

こうした発想は現代突然発生してきたものではない。

古代からロボットや人造の創造物は考えられていたことである。

SF小説にも度々登場してきたわけで、そうした意味ではそれほど無関心でいられる話題ではない。

人工頭脳を持った自立型AIロボットが人間と敵対する、あるいは人間を支配しようとするSF映画なども少なくはない。

逆に、そうした人造人間に理想的な個性を見出して恋愛の感情を抱くというSF小説も確かにあった。

50年以前、SF小説の専門誌であった「SFマガジン」に掲載されていた「10月の朝」という短編小説がまさにそれであった。

作者名は忘れたが、半世紀経ても記憶に残る鮮烈なイメージを残してくれた。

そこで気付いたことは、人間はロボットの類を好ましく可愛いとイメージできる場合と、それとは逆に不気味だ、怖いと意識して忌避するすることがあるということが考えられるのである。

つまりその仕草や話しぶりが人間そっくりであることがことさら好ましいことなのか、あるいは人間に似過ぎることが何やら得体のしれない異質の存在として認識されてしまうのかどうかということである。

これは人それぞれの受け取り方であろうが、これがロボットや人造人間の本格的な登場と共に人間社会で新たなストレスを発生させることになると予想している。

このことがただの杞憂に過ぎないのかどうか、ここらが近未来的にはもっとも気になるところである。


荒唐無稽な話しだろうといわれてしまいそうであるが、今回はそれに輪をかけたような奇怪な話を紹介したい。

というのは、こうした事例はすでに過去の人類史の記録の中にいくつか散見できるからである。

まずはそれらを紹介していきたい。

不可解な話と思ってはいっても同じような話がたて続けに出てくると、これは一体全体何だというなんだろうということになるのだが、ありふれたSF小説の類ではないのは確かである。

過去の歴史上の有名な人物が登場し、しかも密かに人造人間製造にも関わってい たという意外や意外、何やら奇妙奇天烈な話なのだ。

しかもそれが歴史が古く2千年以上も昔の話だから、当然そこには何の科学的根拠もそれらしい発想さえもなかったのではと誰もが考えがちである。

ところがどっこい話が話だけに、逆にそうとばかりはいえないような部分も出てくるからなお更この話は珍奇でおもしろいことになってくる。

意外なことにそれらの事例は、人造物そのものが画期的な発明であるとかいった前向きな捉え方がされているわけではない。

むしろ人型の創造物が人間さながらの振る舞いをすることに、驚きとともに言いようのない不気味さが醸し出されている。

ここらが現代の人造ロボットの登場とはまったく異なっている。


その1つは、歌人として名高い西行(1118〜1190)が高野山の山奥で修行中に、不思議な「反魂の秘術」を使って密かに人間そっくりの者を造ったという逸話がある。

それこそ人間の姿をした人形かアンドロイドかといったところである。

西行は山中にこもって、ついにその「人間そっくりの者」をどうにか造り上げる。

しかし、ようやく出来上がったその人造人間は顔の色艶も青白く、符抜けた笛のような奇妙な声でぼそぼそ喋るので、なおさらに薄気味悪く思えてとうとう終いには山奥に捨ててしまったのだという。

こうなると西行は、優れた細工師かエンジニアかということになる。

歌人、僧侶というのは仮の姿であったということで、これなどは西行の経歴には多くの謎が隠されているといわれることにも繋がってくるような突拍子もない話なのだ。


西行はその後に京にのぼり、当時の秘術の大家として知られていた伏見前中納言師仲卿のもとを訪ねこのときの経緯を詳細に話す機会があった。

そして自分が試みた「人間そっくりの者」製作過程の手順や材料についてもあれこれと謙虚に教えを請うたという。

中納言は一通り西行の話を聞くと、彼が行った「反魂の秘術」そのものが未熟なのを指摘しただけでなく、さらに技巧的な修行によって奥義を極めれば本物そっくりの人造人間が確実に造れるのだとも語った。

そして実際に、かって中納言が造った人造人間のなかには大臣にまで出世した者がいると言って愉快そうに笑ってみせたのであった。

これは一つのブラックユーモアであろうが、今でいうところの培養されたクローン人間ともとれるわけで何とも恐ろしげな話ではないだろうか。(出典『撰集抄』参照)



実は西洋にもこれによく似た同じような話がある。

十三世紀最大のスコラ哲学者、科学者と して有名なレーゲンスブルクの司教アルベルトゥス・マグヌス(1206〜1280)は、化学、医学、精密機械工学、天文地理学といた科学全般に精通していた著名な学者でもあったが、その彼が20年以上の歳月をかけてついに全自動の機械人間・アンドロイドを造り上げたという不可思議な話がある。

magu.jpg

マグヌスが心血を注いで制作したその画期的機械人間は自ら歩き回り、人を相手に会話し、さらには召使として雑用までこなしたという優れ物であったという。

ところがある時、彼の家を訪ねてきた弟子のトマス・アクィナスと人造人間が会話していたのであるが、どうしたことか人造人間はトマスをひどく怒らせてしまった。

人造人間の応答は少しも面白くなかった上に、トマスにむかって小馬鹿にしたような傲慢な受け答えをしたのである。

激昂したトマスは、終いには傍にあったハンマーでその人造人間を叩き壊してしまった。(出典『太古史の謎』アンドール・トマス著)

一説によると、トマス・アクィナスはおしゃべり好きな人造人間の言葉遣いが原因で怒ったのではなくて、あまりにも人間そのものにしか見えないその者の言い知れぬ不気味さに恐怖を覚えて無我夢中で壊してしまったのだともいう。

不気味過ぎる存在ということでは、何やら西行の人造人間の製造失敗話とも似ているわけで、このあたりは非常に興味深いところである。


似たような話は、実ははるか古代にも事例があった。

古代中国にもこの手の奇怪な逸話が伝わっていて、たとえば魏の二代目明帝(在位226〜238)はこうした機械仕掛けを好むということで広く知られていた。

宮廷内でもいろいろな精巧な機械類を造らせていたが、なかでも曲芸や舞踊、器楽演奏までこなすカラクリ人形がことの他お気に入りであった。

同じ頃、隣国の呉の大帝(229年 - 252年. 姓・諱, 孫権)も明帝と競うようにして自分で歩くカラクリ人形を造らせていたのだが、皇后がその人間そっくりの美男の人造人間にすっかり魅せられてしまい、 これに嫉妬した皇帝は直ちに人造人間を破壊するように命じたという逸話がある。

古代中国ではこうした特殊な工作技術を、一部では「怪術の法」と言われていた。

いまでいうところのロボット電子工学か精密工学の部類である。

王族や貴族階級の間では、こうした特殊なカラクリ技巧が持て囃されていたようである。



さらにこれに繋がる最古の事例として出てくるのが、古典籍『列子』湯問篇に紹介されている3千年近く前の逸話が特に有名である。

ここらもちゃんと文献史料として残っているわけである。

周の五代目天子穆王(? - 紀元前940年)の時代に、偃師という名工が見事なカラクリ人形をつくり上げ、それを王に献上したのだという。

そのカラクリ人形の立ち振るまい、舞い踊る姿を見て穆王は本当の人間ではないかと一瞬錯覚するほどであった。

ところがこの人形は王の寵姫にこっそり色目をつかい、このことで穆王の逆鱗に触れてしまう。

人形は、女性から見れば理想的なイケメンそのものであったのだ。

これに嫉妬した穆王は怒りに任せて、いきなり人形を叩き壊そうとする。

これも無理からぬ話であって、呉の大帝と同様に王様というのは殊のほか嫉妬深いのだ。

これには製作者の偃師も大いに恐れ入って、穆王の目の前で直ちに人形をばらば らに分解してすべての仕掛けを見せたのである。

ただの人形なんですと言うわけである。

現代の人造ロボットであれば、電子部品が胴体にたくさん組み込まれているのと同じである。

その人形の体は、革や木片、にかわ、漆、白黒、丹青など多くの素材を集めて精巧に造ら れていたのであるが、穆王がよく調べると内部には内臓として肝・胆・心・肺・ 腎・腸・胃の五臓六腑が、外部には体を支える構造として筋骨・関節・皮毛・歯髪がそれぞれ似せて造ってあって人体の構造として形が見事なまでに揃っていた。

つまり、それらの各部品を複雑に組み合わせていくと元の人形の姿になるというわけである。

穆王は内部構造を興味深く観察しながら、ためしに人形の胸から心の臓を取り外してみた。

するとどうしたことか、たちどころに人形は舌がもつれた様になってうまく喋れなくなってしまった。

これをみた穆王は、面白いと感じた。

次に王が肝の臓を取り外すと人形の目が、まったく機能しなくなった。

次に腰の脇から腎の臓を取り外してみると人形は、力が抜けたようになって立って歩けなくなってしまったのである。

ここではじめて穆王は精巧で緻密な人形の構造に驚き、思わず感嘆の声を上げたのであった。──。


残念ながら古典籍『列子』自体には、これ以上の詳しい状況説明はされていない。

3千年も前にこのような精巧な人造人間が造れるかという疑問はさておき、こういう話は後世過去の人物の名を借りて創作されたと考えられるわけだが、それにしても愉快である。

なぜこのカラクリ人形は、体内の臓器部分を取り外すと喋れなくなったのか、なぜ目が機能しなくなったのか、なぜ一歩も歩けなくなったのか。

現代人から見るとその理由が判然としない。

残念なことに現代人にはそれを説明できるような情報は持ち合わせてはいない。

実はこれを種明かしして詳しく説明するには、さらに中国医学的謎解きが必要なってくるのである。



zou2.jpg


その謎解きがされると、この話しはさらに奥深いものになり格段に面白くなる。

つまりここでの古典『列子』の記述内容自体は、古代の中国医学の解剖学的な五臓と身体機能との相互の生理的関係がそれぞれに示されていて非常に興味深い部分なのだ。

実際に中国古代の医学書 『黄帝内経』の身体機能に関連する記述内容と逐一符合していて、ここらは一層興味が湧いてくる筋立てとなっている。

要するに、当時の医療に直結した解剖学や生理学の知識が網羅されているということである。

たとえば心臓と舌の生理学的関係は、『黄帝内経』では、「心は舌を主る」(陰陽応象大論)、「心気は舌に通ず」(脉度篇)と書かれている。

心臓と舌とは特別な機能的関連性があるのだという。

心臓機能の異状は、舌の動きにも機能低下をもたらすというのだ。

また肝臓と目については、「肝は竅を目に開く」、「肝は目を主る」、「肝気は目に通ず」、「肝和するとき則ち能く五色を辨ず」、「肝は血を受けて能く視る」というように記述されている。(金匱真言論・陰陽応象大論・脉度篇・五臓生成論)

肝機能の低下は、視力や目の機能の異状をきたすというのである。

このように『黄帝内経』では、五臓六腑の解剖学的情報とともに、これらの内蔵と身体機能との生理学的関連性が詳細に書かれている。

内蔵が病気で冒されると、それに関連した身体機能が低下し失調するという当時の病理観にもそのまま繋がる。

驚くべきことであるが、古代中国では数千年以前にすでにこうした詳細な内蔵の生理的機能と身体の関連性が医学情報として知られていた。

古代の医学書『黄帝内経』はそうした医学情報の宝庫でもあるのだ。

古代中国では、一時期当時の西洋文明をはるかに凌駕した自然科学的な人体考察がされていたということになる。

それらが文献情報として残されているということは、これらの医学的情報が当時の知識人にも伝わっていたということになる。

つまりここでは、心臓の機能が変調をきたすと舌が腫れて喋れなくなったりするという意味である。

またここでは肝機能の異状によって網膜の機能異常や視力の低下が現れるともいうのである。

腎機能と歩行機能との関連でも同様で、古代の中国医学的な情報を求めるならさしずめ「腎は骨を主る」(宣明五 気篇)とその関連性は書かれている。

「腎は骨を主る」とは、腎が正常に機能しなくなると体を支える骨の成長や再生が損なわれ、骨そのものが脆く弱くなるという。

これは腎機能の衰えが老化とも関連があって、骨が次第に脆くなることをも意味している。

さらには、「腰は腎の府、転揺する能わざるは腎将に憊んと す」、「筋骨解堕師、・・・歩行正しからず」(上古天真論)ということで、腎機能が弱れば足腰が衰えて萎えてしまうとされるのである。

つまりこの古代中国の人造人間の話は突き詰めていくと、見事なまでに当時考えれらていた古代中国の医学理論に基づいた生理観や病理情報を直裁に取り入れていることがわかるわけで、これがこの話の肝心な謎解きの部分というわけである。

ここらは奇妙というかミステリアスな展開である。













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    2018年01月10日

    極限まで寿命を延ばした李清雲先生とは?

    老化とは潜在的疾病状態なのか?

    人の寿命に「上限」あり、オランダ研究チーム2017年9月1日
    発信地:ハーグ/オランダ

    http://www.afpbb.com/articles/-/3141236

    2016年のAFP=時事 10月6日付けで、人の寿命の「上限」を発見したとする研究論文が発表された。


    米アルバート・アインシュタイン医科大学(Albert Einstein College of Medicine)の研究チームは、世界40か国以上の人口統計データを詳細に調べ、長年続いた最高寿命の上昇が1990年代にすでにその終点に「到達」していたとし、最高寿命の上昇は1997年頃には横ばい状態に達していたという。

    その1997年という年は、奇しくもフランス人女性ジャンヌ・カルマン(Jeanne Calment)さんが前人未到の122歳と164日で亡くなった年でもあった。

    論文の共同執筆者で、アルバート・アインシュタイン医科大のブランドン・ミルホランド(Brandon Milholland)氏は、AFPの取材に「それ以降は、世界最年長者が115歳前後という傾向が続いている」と指摘している。

    要するに現代西洋医科学のデーターによれば、人間の寿命は120歳辺りが上限であるとするのがどうやら定説ということになりそうである。

    ここまではいわゆる西欧圏の科学的常識ということになる。


    これが中国文化圏ともなると、これとはまったく違ったものの見方、考え方がなされる。

    西欧圏とは異なる生命観、健康観が歴史的背景をベースにして提示されてくるところが実に面白い。

    その中国文化圏で、世界一長生きした人物といえば李清雲(Li Qing Yun / リ・チンユン)という名前がまずその筆頭に挙げられる。

    彼は何と256歳まで長生きしたといわれ、現代でもそう信じられている伝説的人物である。

    李清雲は1677年に生まれ1933年、256歳で亡くなったとされる。

    李清雲の画像はネット上に紹介されている。


    li-ching-yuen

    李清雲は清王朝の9人の皇帝の時代を過ごしたという超人であるが、とにもかくにもにわかには信じられないような驚くべき話である。

    李清雲とは一体何者なのだろうか?

    李清雲という人物は10歳頃から伝統的な漢方医学を学びはじめ、その後中国各地を遊学しながら優れた師を求めて隈なく歩き回ったという。

    彼は清王朝初期の優れた漢方医ということでも広く知られている。

    李清雲は交通が未発達な時代にありながら、健脚にまかせて広大な中国の山岳地域を長年歩き回った。

    実際に李清雲は甘粛省や陝西省、さらにはチベット、安南、西安、満州まで足を延ばし、その都度山林へ分け入って貴重な薬草類を採集してまわったが、長年健康を維持し続けたこともあって自らの足で遠くは東南アジアにまでその足跡を残した。

    生薬の研究者として、長い年月をかけて免疫力を高め延命効果のある薬草について探求し続けたとされる。

    彼は約40年間にわたって山野で薬草を精査し続け、霊芝、クコ、オタネニンジン、ツルドクダミ、ツボクサ、米酒だけの食物で、ほとんど菜食主義者として一生涯を過ごした。

    さらに李清雲は中国の伝統的な漢方医学と同時に、身体の健康増進と延命効果を追求する養生法にも精通し、導引法や気功法の奥義を極めたとされる。

    養生法とは、身体の機能を高め健康を維持するために気を全身に巡らせる特殊な運動法や呼吸法をとりいれた中国発祥の保険医学、予防医学ともいうべき一連の術式である。

    記録によると1749年、71歳のとき彼は武術老師として清国の軍隊に入隊しており、私生活では一生の間に、結婚を23回、そして子供を200名以上もうけたという。

    中国ではそれぞれの家には詳細な家譜(家系図のような記録文書)残されているので家系を何代にもわたってたどることが出来るので、李清雲も同様に家譜が専門家によって調べられている。

    当然のことながら、いまでも中国全土に彼の多くの子孫が残っている。

    記録によると100歳の時(1777年)漢方に精通していたことで、清国政府より公に表彰されただけではなく、200歳の時には一時期大学の教壇にも立った。

    李清雲が人々に示した長寿の秘訣は、「いつも心を穏やかに維持する事。そして、座るときは亀のように、歩くときは気力が溢れる鳩のように、寝るとき犬のように」というものであった。

    李清雲の存在に、当時の欧米人も驚愕した。

    1933年5月の米国の『タイム』誌には、李清雲氏の死亡記事が掲載されたが、記事のタイトルは上記の彼の言葉をとって「カメ - ハト - イヌ」だったという。


    douin


    彼は一般人が好むような喫煙や飲酒を避けたといい、また農夫のように常に早寝早起きをし毎日食事は規則的にとったとされる。

    中国医学ではすべての生命活動の根源は五臓六腑のいわゆる内臓器官にあるとされ、内蔵機能の維持が最も重要視される。

    そこには、精緻な精神活動や脳の機能さえも五臓六腑の正常な機能維持によって保たれるという生理観があるからである。

    李清雲は五臓六腑の健康管理だけでなく、生薬を巧みに使い免疫力の維持に注力し続けた。

    彼の健康観、さらには寿命を極限まで延ばすということではそうした独自の中国医学的な身体観と医療観を持っていたことになる。

    李清雲自身は老化についてどのように考えていたのだろうか。

    身体の老化というものは、李清雲からみれば生体そのものが潜在的な疾病状態に陥ったことと同様であって、内臓や身体機能が衰え萎縮しつつ機能が次第に低下し、免疫力も無くなっていくことを意味していたはずである。

    彼からみれば明らかに老化現象は疾病であった。

    疾病であるならば、そこに治療法も予防法もあるというのが李清雲の確固たる考えであった。

    李清雲はその己の潜在的な疾病状態をしっかりと捉えて、「養生」という手法を的確に講じたのである。

    日々の生活習慣であり、彼独特の菜食や導引吐納を実践し続けた。

    各種の生薬、薬剤も活用した。

    その生薬の薬物としての処方にも李清雲は膨大な知識を持っていた。

    李清雲は老齢期に至っても内蔵機能は充実していたし、身体機能もほとんど衰えをみせなかった。

    事実100歳を超えても彼の性的機能は衰えなかった。

    彼は中国各地を遊学する間に伝統的な「養生法」を習得していったことが、彼の長寿延命をさらに助けた。

    中国で発祥した「養生法」そのものは、元来不老不死に通じるものとして広まったものであるが、身体の免疫力を高めると同時に新陳代謝を呼吸によって自在にコントロールし老化に至るエントロピーを極力抑えるというものである。

    その結果が、256歳という驚異的長寿をもたらしたということになる。

    256歳にも及ぶ人生とは一体どのようなものであろうか。

    超人李清雲にしかそれはわからない。



    漢方薬や鍼灸など「伝統医療」WHOが認定へ 日本の漢方、地位向上へ

    http://www.sankei.com/life/news/180109/lif1801090004-n1.html





























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    2017年12月25日

    本物の明治維新を経験した人々!

    150年前の忘れられた日本の姿


    幕末明治の日本の姿が写真画像として残されていました。

    100年〜150年前の日本の姿を覗いてみませんか。

    写真だけに歴史捏造、歴史改竄は一切ありません。

    素朴な原日本人ともいうべきかっての人々の姿が、そこにはあります。






    百年前の日本人【Japanese 100 years ago】










    【古い写真】 外国人が撮影した100年前の日本が素敵過ぎる 其の2










    【古い写真】 外国人が撮影した100年前の日本が素敵過ぎる 其の5





















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    posted by モモちゃん at 12:59| 歴史探訪 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

    2017年09月17日

    ブログインデックスを閲覧しやすく整理しました

    ブログインデックスの紹介

    インデックスを整理してみました (2017/09/16)

    ETC HTML編集 MERS MTB NASA航空宇宙局 UFO youtube動画
    「かみそり狐」 「ベン・ハー」 あべ静江 お安の方 たかじん先生 たけとんぼ のつづら棚田 ものまね やらせ番組 アイアンドーム(iron dome ) アイ・ウィル・フォロー・ヒム アクタン・ゼロ アシュレイ・マディソン アジア奴隷貿易 アップグレード アナフラキシーショック アニソン アニメソング アパホテル アラブ圏文化 アラブ音楽 アントニオ・ストラディバリ アンドレ・ペッソア アンドロイド イエズス会 イングリッド・バーグマン インデックス インデックス集 インド市場 ウィリアム・アダムス ウィリアム・ホールデン ウイリアム・ハーベー ウラジオストク ウルシ科ウルシ属 エイズ エイプリルフール エイリアン エジプトスタイル エドワード・スノーデン エボラ出血熱 エボラ感染 エルフ エレキギター エレキ演奏 オオスズメバチ オランダ商館 オンリー・ユー オールディーズ音楽 オールドパー カッピング療法 カトリック教会 カメラ カレーレシピ ガスパール・コエリョ ガンマン キリシタン傭兵部隊 キリシタン大名 キリシタン弾圧 キリシタン迫害 キリシタン迫害史 キリスト教文化遺産 ギター娘ちっち ギター演奏 ギター演歌 クロネコメール便廃止 グルメ嗜好 ケプラー186f ケプラー452b コニー・フランシス コリアド神父 コンバット コンフラリア コンフラリヤ ゴルゴ13 サイエンスZERO サイバーテロ サイバー攻撃 サイバー犯罪 サインボール ザ・サベージ ザ・ベンチャーズ ザ・ムスタング シェイクスピア シビリアンコントロール シュミレーション ショパン ショパン作曲 シリア空爆 シンクロ シーボルト ジプシー音楽 ジャッキー・チェン ジャニーギター スカイダイバー スキミング詐欺 スキャンダル スズメバチ ストラディバリウス ストリートミュージシャン ストーリーライン ストーンサークル スナイパー スパムメール スピノラ神父 スペースシャトル スライブ スライヴ スーパーロボット スーパー護岸 セラピスト ゼロ戦 ソフィア・ローレン ゾーリンゲン タイムスリップ タイラギ タグ整理 タケコプター タコ社長 タバコ撲滅 タブレットPC ダウジング ダニエラ・ビアンキ ダニエル・デフォー ダビンチ ダラブッカ チャングムの誓い チャールズ・アダムス ツツガムシ テスト飛行 テレサ・テン テレビアニメ テレビアニメ化 テレビシリーズ テレビプロレス テンセグリティ ディズニーアニメ トウゴマ毒殺 トリカブト トロイ戦争 トーマス・パー ドライブレコーダ ドラッグ中毒 ナチュラリスト ナニャドヤラ ニュース ネット絵本 ネパール ノイロメーター ノストラダムス ハイジャンプ作戦 ハイテク兵器 ハゼノキ ハビタブル惑星 ハワイアン バチカン バッテリー交換 バテレン追放令 パナマ文書 パラカスの頭蓋骨 パンダ絵本 ヒットラー ヒポクラテス顔貌 ピザ宅配 ピラミッド フラメンコ フラメンコギター フロイス日本史 ブラウザハイジャッカー ブログインデックス ブログタグ編集 ブログ記事 ブローカー プテラノドン プロクラドール プロレス中継 ヘレン・シャピロ ヘンリー・マンシーニ ベリーダンス ベン・ハー ペギーマーチ ペギー・リー ホタル乱舞 ホバーバイク ホラー映画 ボタニカルアート ボーイ・ハント ポール・ヘリヤー マイクロロボット マインドコントロール マカロニウエスタン マカロニ・ウェスタン マジック マドンナ マニラ追放 マルセル・カミュ監督 マンガ マードレ・デ・デウス号事件 ミイデラゴミムシ ミサイル防空システム ミツバチ失踪 ミムラ姉さん ムスリム ムード音楽 ムーミンハウス モンタージュ画像 ヤコブの梯子 ユル・ブリンナー ユーチューブ ライフライン ライブ演奏 ラブストーリー ラムサムウェア リーヴァン・クリーフ ルソン遠征 ルパン三世 ルパン三世の実写版 ルートヴィヒ2世 レーザー兵器 レーシングカー レールガン ロケット爆発 ロシアより愛をこめて  ロボット ロマノフ王朝 ワラスボ 三國演義 三船敏郎 世界文化遺産 世界文化遺産登録 世界旅行 中古パソコン 中古市場 中国人移住計画 中国情報 中国文化圏 中谷義雄医博 丹波康頼医心方 久留米市 九州王朝 乱闘 二股交際 人工天体物 人造ロボット 仏教伝来 仕掛人梅安 伊号潜水艦 伊賀甲賀 伝承記録 伝統 伴天連追放令 佐村河内守作品 佐賀県神崎町 信号機 修験者 倍賞千恵子 傭兵部隊 傭兵部隊天草四郎鉄砲軍団 傷寒論は 児童 入梅 全米シングルチャート 公共放送 典医 写実絵画 別府ロープウェイ 創作 加藤清正 動物愛護 動画広告 北国の青い空 北帰行 北斗衛星測位システム 北朝鮮ミサイル 北海道 医学史 千々石ミゲル 卑弥呼 南蛮貿易 占い師 危険ドラック 危険生物 原作 原城攻撃 原子力空母 原爆の日 原発事故 古代イスラエル 古民家 台風一過 司法判断 名医伝 名古屋弁講座 唐詩選掌故 喋るペット 喧嘩沙汰 国指定重要文化財 国民総番号制 土下座外交史 地下核実験 地方出身 地球外生命体 地産地消 報道の自由 墓場鬼太郎 墓碑銘 声優 外国語映画賞 外科手術 外食産業 大久野島 大分県九重 大分県湯布院温泉 大惨事 大日本帝国海軍 大本営発表 大村喜前 大砲 天下どり 天下人秀吉 天下統一 天正遣欧使節記 天草島原の乱 太陽風 奴隷取引 奴隷売買 奴隷貿易 妖精 妙貞問答 始皇帝の傳國玉璽 嫌がらせ対策 季節感 孫思邈 宇宙人 宇宙旅行案内 宇田・八木アンテナ 安珍清姫 宗教戦争 宗教映画 定点観察 実弾演習 家具製作 寄付金 寅さん 寅ちゃん 対艦弾道ミサイル 小さなスナック  小池百合子新東京都知事 尖閣列島 尖閣列島問題 居合い術 島井宗室 島原の乱 巡航ミサイル 巨大地震災害 幕末 平和大国 平均寿命 平賀源内 年賀はがき 年賀状 年金制度 年金積立金管理運用独立行政法人 広告塔 庶民の暮らし 延命効果 弧刀影裡流の技 弧刀影裡流居合術 弾道ミサイル 御典医 御用学者 復活劇 徳川家康 心神耗弱 心神耗弱状態 思い出の映画音楽 思考盗聴 惑星移住 愛の古切手 愛犬の躾け 愛犬家 感染症 慰安婦 慰安婦報道撤回 慶ァ尼 成長ホルモン 戦争放棄 戦争難民 戦国の日本人性奴隷 戦国九州 戦国時代 戦略物資 戦闘ヘリ 戦闘機 戦闘機F-22ラプター 戸来村 手作り玩具 手作り絵本 手塚治虫 技術大国 拉致被害者 探検家コロンブス 探検隊 搭乗券 支配海域 攻城戦 放屁論 政治資金 教科書 整体開業 文学の森 新婚旅行 方言 日ユ同祖論 日本人奴隷 日本人奴隷貿易 日本国憲法 日本年金機構 日本昔ばなし  日本犬 日本語入力 日本語字幕 日本車 昆虫記 明智光秀 明治 昔話 映画製作 映画音楽 昭和歌謡 時代小説 時代背景 暗殺事件 書架 曹操 替え歌メドレー 月の遺跡 月面探査 月面探索 月面着陸 有害電磁波 有明海無料道路 有馬晴信 朝鮮ニンジン 木工作品 未来戦争 末次平蔵 本屋大賞 本棚 本能寺の変 本草綱目 李氏朝鮮史 村山マリア 村山徳安 村山等安 東洋医学 松倉勝家 柔道 柳原白蓮 柳沢慎吾 柴犬 核攻撃 桐谷美玲 桶狭間 梅毒 森宗意軒 植民地 植民地化 検索エンジン 楽器演奏 檀クッキング 武装ロボット 歴史ねつ造 歴史の謎 歴史問題 歴史探検 歴史改竄 歴史教育 歴史書店 歴史特集 歴史認識 死相 殉教 殺気 殺陣 毒ガス 毒針 水木しげる 永遠の歌声 池波正太郎 決闘 治外法権 洪水警報 流行り病 流行医者 浦島伝説 海産物 淡水魚 混浴温泉 混浴習慣 湯布院 湯布院動真庵 湯布院盆地 準静電界 演奏家 演奏指揮者 演歌演奏 漢方医学 瀬戸の花嫁 火垂るの墓 火星探査 火星移住計画 災害時 災害記録 無人機ドローン 無条件降伏 焼きまんじゅう 煉獄の星 熊本城 爆破計画 物造り 物部氏 犬猫 王維 環境汚染 産業の米 産業遺産 甲州弁 異世界 異界 病原体 癒し整体 発明家 発酵食品 白川郷 白蓮 白蓮と伊藤伝右衛門 白黒写真 百姓一揆 看板娘 真田一族 真田幸村 眠り姫 石原裕次郎 祝辞 神楽太鼓 福岡県久留米市 福永武彦 移住計画
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    posted by モモちゃん at 09:51| 歴史探訪 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

    2017年09月16日

    最強の易断!人の命はいつ絶えるのか?!

    もう駄目、今にも死にそう!

    自分の死ぬ日を予知して、わざわざ周囲に知らせて回ったという人物が古今東西に多数存在していることに気づき、それらの文献史料を探してみました。

    未来をほぼ正確に預言、予知するということは常識では考えにくいことなのですが、そうした歴史上の事例をいくつもめていくと新たな視点も生まれてきます。

    過去から未来へと時間が一方に流れているというのは普通われわれの感覚的捉え方ですが、本当は未来から過去に時間が流れていて、そこここに干渉しているという量子力学分野の最新研究もあります。

    要は未来があるから目の前に現在の事象そのものがあるのです。

    結局のところ、目の前の現象はすでに確定していることであって、はるか未来の時空からただその残像が投影されているだけなのかも知れません。

    歴史上にはそうした拡大された時空や次元から俯瞰できる能力を持った人物が居たことだけは、多くの事例をみれば確かなことのように思えてきます。





    予知といえばいろいろあるが、今回は人の命、寿命に関わる予知の話としたい。

    まず、我が国の古いところでは、聖徳太子が自分の死ぬ日時を予言して、その日に亡くなったという記録がある。(『聖徳太子伝暦』)

    空海も自分の死ぬ日を予言し、死の四箇月前、弟子たちを集めて告げたことで知られている。

    吾、入滅せんと擬するは今年三月二十一日寅の刻なり、もろもろの弟子等悲泣するなかれ」と明言し、その予告通り、承和二年(八三五)に空海は大往生した。

    この種の伝統は受け継がれ、比叡山定心院の十禅師成意も弟子や同僚に前もって知らせた上で入滅したというし、熊谷直実入道の入滅の予言も『吾妻鏡』に記録されていて特に有名である。


    borugu.jpg



    外国にもこの類の話は少なくないようで、学者というより霊界の話で有名なスェーデンボルグの場合は、死ぬ一月以上前の一七七二年二月にメソジスト派の創始者であるジョン・ウェズリーに手紙を書き、その中で「自分は三月二十九日に死ぬから、それまでに会いに来てくれ」といい、実際にその予告した日に死亡した。


    このような話ばかりだとうんざりするので、ここらで少し話の向きを変えてみよう。

    江戸時代の文政年間、京都の医界で名医として知られた中神琴渓は、近江国山田村の貧農の家に生まれたとされるが、そこから独学奮励して医者になった人物である。

    彼には次のような「死を予知する」ということに関連した有名な逸話がある。

    三十を過ぎたある日、いつものように野菜の行商で大津まで出て、ある髪結床に作物を買ってもらい、そこで一休みしていた時のことである。

    床屋の親方が妙なことを口にした。

    先程帰った客の老人は気の毒だが近いうちに死ぬだろうと言うのである。

    それを聞いて半信半疑でそれとなく気に止めていたところ、はたしてその老人は幾日かして本当に死んだのである。

    琴渓は驚いて、なぜ老人の死が予知できたのかしつこく親方に尋ねるとその理由を話してくれた。

    これまで何千人もの髪を結ってきたが、死が近づくと決まって代月のところに証が現れるのが分かるようになっただけのことだ」と。

    琴渓はこれに大いに感じた。髪結床の親方さえこれだけのことが分かるのである。

    自分も医者となりその道を極めれば、人の生死を診断し予見できるようになると。

    一大決心をした琴渓は医学書を漁り、その中でも特に六角重任著・吉益東洞閲『古方便覧』二巻を精読・研究し、ついに四十九歳のとき京に出て開業したという。

    昔は人の生死を的確に見極めることが、医師の技量の一つであった。

    中国の歴史書『史記』・扁鵲倉公列伝にあるように、名医であった扁鵲や倉公は患者の三日後、八日後、半年後の生死を診断の結果見事に言い当てるわけである。

    「後漢書」の伝によると、名医華佗(? - 建安13年(208年))などは三年後の病気の再発や十年後の病死を的中さたと記されている。

    こうした病状の変化は、すべて人の顔色や脈に現れるという。

    古代中国の医学書『素問』・陰陽別論七に、「凡そ、真脉の蔵脉を持する者は、肝の至ること懸絶にして急なるは十八日に死す。心至ること懸絶なるものは九日に死す。肺至ること懸絶なるは十二日に死す。腎至ること懸絶なるは七日に死す。脾至ること懸絶なるは四日に死す。」とある。

    病がすすんで臓器まで病に冒されると、おのずと死期が決まってくるというのである。

    予後に関して古代の医学書『難経』・二十四難にも同じように脈気と死症について記述があるし、その『難経』・十七難にも「其の死生存亡脉を切して之を知るべきことありや」といって、脈と死症の要諦を上げている。

    確か同書に書かれている五十三難の七伝や六十難の真心痛も死に至るものであるが、素人には何のことなのかさっぱり分からないところである。

    こうした予後の判定というものが、疾病の軽重や経過からみての判断というものに掛かってくるとき、当然医者と易者とではその判断基準がおのずと違うはずである。

    であるが、しかし多分に易者のいう観相術と医術の望診とは似通っているように思えてくる。

    人が「命旦夕に 迫る」とき、まさに命が絶えようとするとき、その変化は顔に表れるというのだ。

    医学でいう、衰弱したビポクラテス顔貌はやはり死相に違いないだろうし、生命力が失われつつある人はそれ相応の衰退を双眸にも顔貌全体にも現してくるはずである。

    確かにそれはいえることである。



    rui.jpg



    病気見舞いに行って、素人目にもああ、もうこれは長くはないなと不謹慎にも内心思ってしまうことと大差はないのかもしれない。

    しかしその道を究めた者となると、そこには逆に格別な技量の冴えというか真骨頂の展開があっても、それはそれでいいのではないのかという気分になる。

    ただ類似した情報を並べただけでは面白くないということだ。

    名人芸というか、ここでは世間をあっと驚かせるような究極のセオリーが欲しいところである。

    人の命に関わる事なので多少差し障りがあるであろうが、広い世間ではそういうちょっとは変わった事象があってもいいのではないかとも思うわけである。

    そこでこういう話が出てくる。

    『近世奇人伝』に紹介されている中村龍袋という、当時名を知られた観相家の逸話によると、彼は晩年自分の相を観て、「餓死の相が出ている」として家の門を閉じ、弟子たちの出入りを禁じ、絶食してついには餓死したということである。

    これなどはこじつけがましく、予知というより予告めいた勝手な自殺行為そのものというべきものである。

    易者とはそういう程度のものなのかということになる。


    ところが同じ易者でもこれが本場中国となると、そのスケールがまったく違ってくる。

    『後漢書』・方術伝によると、折像という易者が自分の死ぬ日を占い予知した。

    そこでその命が絶えるであろう日に、長年付き合った親戚や友人一同を自宅に招いて賑やかに酒宴を開いて別れを惜しんだ。

    折像は最後に同席した親しい人々に別れの挨拶をして、それが終わると同時に見事にその場でこと切れたという。

    わざわざ史書に記録が残されているのだから、実際にそうだったのだろう。

    それ以上の確認の仕様がない話である。

    こうした易の達人の話はまだ続く。

    易聖といわれた衛大経は同じように自分の死ぬ日を占い、その日に間に合うように墓を作らせ、まさにその予告した日に息絶えたという。(『新唐書』・隠逸伝)

    この事例もわざわざ史書に記録が残されたのである。

    そして最後に登場する易者の極め付きは『三国志』・方技伝に出てくる管輅その人であろう。

    この易者の易断は半端ではなかった。

    彼は自分自身の死を前もって予告していただけでなく、人の相を占って何と百人以上の寿命を見事に的中させたという。

    これこそ驚愕の事実である。

    このあまりにも見事な占いに人々は戦き恐れ、半信半疑の者も管輅に生年月日をずばりと言い当てられ、続いていざ死ぬ日を占う段になると、みな慌てて辞退してしまうというほどその易占は神妙であったという。

    もはやこうなると単なる予知というより、神業というべきであろうか。

    易断は未来を覗いているのではなく、未来からいまを覗いているのだ。

    そこには時空を超えた共時性のもとに、一瞬小窓が開くのである。






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    2017年09月03日

    身近に発見したレトロな建造物

    レトロな財産がある街

    大牟田市というところは、個人的にはとても懐かしい都市である。

    以前はちょっとしたデパートがあって、田舎町から年に何回か親に連れて行ってもらうのがとても楽しみであった。

    大牟田は日本の近代において石炭産業の中核にあって、三池炭鉱を筆頭に経済発展に貢献してきた輝かしい歴史がある。

    石炭産業の衰退とともにその勢いは失われた感はあるが、かっての生産や輸送を担った港湾や多くのインフラ設備はいまでも市内各所に残されている。





    RIMG1238





















    昨日、建設中の有明無料道路を車で走っていたら車窓からとてもレトロなレンガ壁が目に飛び込んできた。




    RIMG1243




















    思わず途中で道路を迂回してその建造物をわざわざ見に行った。

    その建物は青空に映えて見事に輝いて見えた。






    RIMG1240





















    毎日この建物を目にしている人には格別な思いはないのかもしれないが、産業基盤を支えたこういう歴史的建造物がいまだにしっかりと残されていることはまれなことのように思える。

    こうした風格のある外観はそう簡単にはにじみ出てはこない。






    RIMG1242




















    歴史を感じさせるとてもモダンで均整の取れた建造物である。

    窓枠の形や中のステンドグラスなど雰囲気がいい。






    RIMG1241



















    大牟田市は終戦間際に大規模な米軍による爆撃によって甚大な被害を受けた。

    そうした戦災を潜り抜けた建造物であれば、なお一層輝いて見えることになる。













    jidai03



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    posted by モモちゃん at 20:59| 歴史探訪 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

    2017年08月25日

    日本では廃れてしまった淫蕩過ぎる習慣とは?

    日本人は淫蕩な人種なのか?

    ご存知の方は極めて少ないと思うのだが、日本は古代から明治期の辺りまでは混浴がごく普通の当たり前の習俗風景があった。

    江戸時代の銭湯も簡単な仕切り程度の、ほぼ混浴の状態が庶民の生活の中に自然なものとして溶け込んでいた。

    とくに地方の温泉地などはその傾向が明治以降も強く残っていて、大分県では昭和30年代までは混浴の温泉が普通にあった記憶がある。

    そうした従来からの伝統的な生活習慣があったことから、地元の人たちには混浴そのものには何の違和感もなかったのである。

    ところが幕末以降の西洋文明が流れ込むと、こうした習俗にことさら批判の目が向けられだした。

    ついには銭湯での混浴が全面的に禁じられたのだ。


    日本人のこうした男女混浴の習俗については、幕末に来航した有名なペリー提督の遠征記にも触れられている。

    ペリー提督「日本遠征記」には、挿絵付で嫌悪感を込めて次のように記している。

    「(日本人の)男も女も赤裸々な裸体をなんとも思わず、互いに入り乱れて混浴しているのを見ると、この町の住民の道徳心に疑いを挟まざるを得ない。他の東洋国民に比し、道徳心がはるかに優れているにもかかわらず、確かに淫蕩な人民である」と。

    ペリー提督が、混浴を目にして日本人は淫蕩な人民であると断じてしまうところが欧米人らしいところではあるが、その先入観というか、当時の大らかな日本人の国民性を削ぎ落とすようなものの見方にはいささか抵抗を感じないでもない。

    とにもかくにも、彼はここでははっきりと混浴を淫蕩な行為とみなしているわけである。

    入浴自体は何も淫蕩ではあるまいに、ただ男女が混浴状態にあること自体がとにかく淫蕩という一方的な認識である。

    しかしながら、何も当時の日本人が混浴までして自ら淫蕩でありたいと望んでいたわけではない。

    ましてや、当時の人々は混浴を淫蕩なるものとしては意識さえもしてはいなかった。

    しかも当時の日本人すべてが混浴していたというわけでもない。

    もとより都市部の余裕のある暮らしをしていた富裕層はこうした習俗には染まらないし、染まる必要もなかった。

    何故なら、そういう人間は自宅に自前の風呂の設備があるわけで、その燃料費にも何ら不自由はしないからである。

    端から銭湯などで人前で肌を晒す必要などないのである。

    家に風呂などない貧しい一般庶民の方が多かった。

    結局のところ淫蕩などと決めつけてしまうのは、貧しい庶民の生活環境をまったく配慮しない一方的なものの見方と言わざるを得ない。

    しかも明治期以降の西洋的文明観が、ますますそういう意識を強めていったのである。

    文明開化の波にに乗った都市部の文化人が、ひとたび鄙びた温泉地を訪れるとやたら混浴は淫蕩だと言い出す。

    結果混浴そのものを法律で禁じ規制した。

    その流れのまま、現在では混浴自体ははっきりと公衆浴場条例で規制されてしまっている。


    30年以前のことであるが、九州のある温泉地に家族で出かけたとき、地元の共同の温泉場に入ったことがあった。

    地元の古くからの施設ということで、外来者は入浴料を随意入口の箱に入れるのだがそこの風呂場には仕切りが一切なかった。

    いわゆる伝統的な混浴浴場である。

    私と子供たちはそのまま裸になって入浴したのだが、混浴の風習を知らない家内はどこかで水着に着替えて後から入ってきた。

    水着を着て入浴というのは、何だか変な感じである。

    しばらくしてそこへ地元のおじさんがいきなり入ってきたのだけど、その場に水着姿の人間が入浴している姿を見て一瞬驚いたような表情を浮かべてみせた。

    地元のおじさんからみれば、「なんじゃ、こりゃあ!」という感じであったろう。

    いまでは裸での男女混浴は淫蕩なものという認識と意識とが、わが温泉大国日本では日常的にすっかり定着してしまっているようである。

    しかしながら、いつの日か再び混浴が日本の温泉地で復活してくるのかもしれない。

    そうした予感がしないでもない。




    温泉好きOLが選ぶ、人気温泉郷「黒川温泉」。

    http://www.trend-park.com/krkw/ydn_a1_t1.html











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    ラベル:混浴温泉
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    2017年04月23日

    ドイツのノイシュヴァンシュタイン城を見学する!

    おとぎ話の城を空から訪問!

    ドイツ南部のバイエルン州バイエルン・シュヴァーベン地方にあるノイシュヴァンシュタイン城をご存知であろうか。

    バイエルン王ルートヴィヒ2世によって19世紀に建築された城で、オーストリア国境に近いオストアルゴイ郡フュッセンの東南東方向(直線距離にて約4km)に位置し、近隣にはルートヴィヒ2世が幼少時代を過ごしたホーエンシュヴァンガウ城がある。

    ノイシュヴァンシュタイン城はかって同地方にあったシュヴァンシュタイン城に由来しており、1890年になってから付けられた名称である。(「ノイ (Neu)」はドイツ語で「新しい」の意)

    この城は軍事的な目的の要塞ではなくて、意外にもルートヴィヒ2世自身のロマンティックな趣味のためだけに建設されたものとされている。

    そのこともあって、この特に優雅で美しいノイシュヴァンシュタイン城は、おとぎ話のお城として世界中に知られている。




    ドローン/ノイシュヴァンシュタインと4K/ショットでノイシュヴァンシュタインおとぎ話の城










    ◄ Neuschwanstein Castle, Germany [HD] ►   










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    2017年04月02日

    東洋史に埋もれていた名医伝承記録

    東洋医学名医伝・筑後弁バージョン

    あるとき一人の老人が通り雨におうて人家の軒下で雨宿ばしとると、そんよちゃりしかけとるひゅうなか家の中から女のすすり泣く声が聞こえてきたげなたい。

    なかば覗いてみっと、母親が子供の枕元でうずくまるごとして泣きよるじゃなかね。老人は思わず声ば掛けたげな。

    外から突然声のしたけん女は驚いて泣きはらしとった顔ば上げたげな。

    老人は静かに語りかけたとげな。そん優しか老人の言葉に、母親は気ば許して事の次第ば話はじめたげなたい。

    母親の話によっと、子供の病状が一昨日より急に悪うなって、診てもろっとた医者はもう手の施しようがなかち言うて帰ってしもうたげな。

    子供の意識は無く命はいくばくもなかごたる様子で、もう死を待つばっかりちゆうて母親は泣き崩れたげな。

    老人は気の毒に思うて、オリは医術の心得のあるとばってん、こんまま見過ごすとはどげんしてん心残りじゃけん、オリにそん子供の脈ば診さしてもらえんじゃろかち言うたげな。


    老人は一通り子の脈ば診ると、母親に父親の所在ば尋ねたげな。こん子の父親は既に亡く、いままで母一人子一人で暮らしてきたげなたい。

    老人はその答えに頷くとこげん言うたげな。「やっぱしこん子の命は絶えそうばい。そもそもの原因はこん子が母親の陰の気ばっかし受けて育てられとって、父親の陽の気に包まれんやったとがいかんとたい。

    そしけん体内の陰陽の調和のとれんごとなったとばい。一刻の猶予もなか」

    そこで老人は母親に起死回生の妙法ば教えたげな。母親は子供の命が助かるかもしれんち知って、老人の言うたごと村中にある若衆宿さん直にだだ走りで走っていったげな。

    そこん家では元気盛りの若者が幾人も泊り込んで共同生活ばしよったとばってん、そげん広ろうもなか部屋の中は若か男たちの熱気で溢れかえっとったげな。

    母親はその部屋さん駆け込むと、若者たちが遊びよった将棋ん駒ばひったくるごとして掴み取ると、だだ走りで家に帰ったげな。

    そん将棋の駒ば土瓶で煎じて子供に飲ませたところ、生死ば彷徨っとった子供は奇蹟的回復をみたげなたい。──

    ここに登場する老人こそ、朝鮮医学の集大成ちいわれとる医学書『東医宝鑑』ば17世紀初頭に編纂した名医許浚その人じゃったげなたい。

    そん許浚ちいう人は家庭的にはいっちょん恵まれとらんやったけん、もともとよか環境で育ったわけじゃなかったとげなたい。

    いわゆる妾腹の子で、苦学して医ば志したげな。逸話にもそげんか許浚自身の幼少時の境涯が反映されとるとかも知れんたいね。

    こん話はなんか馬鹿馬鹿しか、荒唐無稽の作り話じゃなかかと思われる向きもあるやろうたい。

    ばってんこれによう似とる名医の話が、後漢時代に活躍したちいう華佗の伝の中にもあるとたい。

    東陽県の陳叔山の一歳の餓鬼が下痢が止まらんごとなって、だんだんに衰弱していったこつのあったげな。

    方々手ば尽くしたばってんどげんしてん病状が良くならんけん親父が心配して、名医ち名前の聞こえた華佗のもとさん遠路訪ねてきたとげなたい。

    華佗は一通り病状と経過ば聞くげっと、親父に向かって詳しか説明ば始めたげな。「そん子の母親は次の子ばすでに妊娠しとるはずばい。そしけん母乳中にもともと含まれとるはずの母親の陽の気が、はらん胎児ば養うとにばっか吸収されてしもうて、そん母乳は子供ば養うとには不十分な冷たか陰の気にばっかし偏ってしもうとるとたい。
    そしけんそん子がいまんごつ陰の気の充満した冷たか母乳ばっかし飲みよるげっと、こん病は回復せんじゃろう」と、明解な病理、病機ば示したげなたい。


    douin.jpg



    中国には「名医、棺を返す」ち言うごたる名言のあるげなたい。

    これは名医ちゅうもんは死人さえも生き返らせるちゅうごたるニュアンスのものかと思うばってん、扁鵲がそげんやろうし、唐時代の孫思邈(五八一〜六八二)の伝にも、これとぴったっと当てはまるごたる話が残されとるとばい。

    孫思邈はある日、往診の帰りに棺ば担いでいきよる行列と遭遇したげな。

    ようっと見るとその棺の底からはぽとぽと血が滴って落ちとるじゃなかね。

    不審に思うた孫思邈は行列に泣きながら付いていきよる老婆に、いつ亡くなったつか尋ねたげな。

    孫思邈が医者ちゅうこつが分かると、老婆は一人娘が難産で二晩苦しんで出産でけんで数時間前に死んでしもうたちゆうて、泣きながらどげんかして生き返らせてくれと懇願してきたげなたい。

    棺の蓋ば開けさすっと、中の若か婦人はもう血の気の退いて顔色は蝋のごたったげな。脈ばとってみると、ちょこっと触れてくるじゃなかね。

    孫思邈はまだ望みがあるち思うて、素早く鍼ば取り出し経穴を定めて打ったげなたい。

    しばらくすると妊婦の気が動いて、顔に血の気がさし生気が蘇ってきたとげなたい。

    脈が強よなってくなると、突然妊婦は産気づいてきて棺の中から「オギャア、オギャア」ちゆう産声が聞こえ、そんまま赤ん坊が生まれたとげな。


    こん成り行きには、周りの者も驚き大歓声ば上げたげなたい。何と名医孫思邈は鍼一本で母子二人の命ば救ったとばい。

    こげん孫思邈は名医としての誉れ高く、今でん中国では仁術ば身をもって示した医者として尊敬ば集めとるとげなたい。









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    ラベル:中国文化圏
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    2017年03月05日

    古代の異種人類の頭蓋骨の謎に迫る!

    人類によく似た太古の頭蓋骨?

    今世紀になってようやく謎の「パラカスの頭蓋骨」のDNA解析結果が出たようである。

    パラカスの頭蓋骨発見の経緯はというと、1928年、ペルー南岸部ピスコ近郊の砂漠地帯、パラカスにおいて、考古学者フリオ・テーヨ(1880〜1974年)が巨大な墓地遺跡から数多くの奇妙な頭蓋骨を発見したことから広く知られることとなった。

    それらの頭蓋骨は太古のもので、3000年ほど前の人間のものと考えられており、その形状は縦方向に長く引き伸ばされた奇妙な形をしていた。

    ここでは、そのDNA解析結果の解説動画に注目したい。


    691B+161 長頭人間は人間ではなかった(DNAの検査結果)Long









    Enormous Cone Head Of Paracas Peru: Lost Human History Revealed



    パラカスの頭蓋骨の動画を観るとやはりその外観からして気になる点がある。


    それは人類にあるはずの頭蓋骨表面部の縫合といわれるものの形態が異なっていることである。


    人類の頭蓋骨の頭頂部分の骨は頭頂骨といわれ、通常解剖学的には左右2個で構成されている。


    その左右2個で構成されている頭頂骨の接合部には、縫い目跡のような縫合というはっきりした線状のものがある。


    解剖学的には、矢状縫合Sutura sagittalis, Pfeilnahtといわれる。



    これがパラカスの頭蓋骨にはまったく見られないのだ。

    どうみても頭頂にはそうした縫合のない、のっぺりとした頭頂骨にしか見えない。


    これが不可解であって、この頭蓋骨が人類のものとは異なっている外観上の特異点である。




    参考文献:


    「Rauber-Kopsch解剖学」のページより引用
    http://www.anatomy.med.keio.ac.jp/funatoka/anatomy/Rauber-Kopsch/1-14.html


    全体としての頭蓋

     頭蓋には頭蓋函と顔面部とが区別される.前者は前頭骨・頭頂骨(2個)・後頭骨・蝶形骨・側頭骨(2個)・篩骨の8個の骨で構成されている.そのうち初めの3つは扁平骨であって,それぞれに,緻密骨質でできた外板Lamina externaおよび内板Lamina internaがあって,両板のあいだには海綿質がある.この海綿質は頭蓋函ではとくに板間層Diploe とよばれ(図178,263)その中を板間管Canales diploiciという広い静脈管が通っている.頭蓋の外面をおおう骨膜を頭蓋骨膜Pericraniumという.後頭骨・蝶形骨・側頭骨・篩骨・前頭骨の一部は頭蓋底Basis cranii,Schadelbasisをつくる.















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    2016年11月24日

    ペリー提督に淫蕩といわれた日本人の悪習とは?

    かって日本人は淫蕩であったそうな

    ご存知の方は極めて少ないと思うのだか、日本は古代から明治期の辺りまでは混浴がごく普通の当たり前の習俗風景があった。

    江戸時代の銭湯も簡単な仕切り程度の、ほぼ混浴の状態が庶民の生活の中に自然なものとして溶け込んでいた。

    とくに地方の温泉地などはその傾向が明治以降も強く残っていて、大分県では昭和30年代までは混浴の温泉が普通にあった記憶がある。

    そうした従来からの伝統的な生活習慣があったことから、地元の人たちには混浴そのものには何の違和感もなかったのである。

    ところが幕末以降の西洋文明が流れ込むと、こうした習俗にことさら批判の目が向けられだした。

    ついには銭湯での混浴が全面的に禁じられたのだ。


    日本人のこうした男女混浴の習俗については、幕末に来航した有名なペリー提督の遠征記にも触れられている。

    ペリー提督「日本遠征記」には、挿絵付で嫌悪感を込めて次のように記している。

    「(日本人の)男も女も赤裸々な裸体をなんとも思わず、互いに入り乱れて混浴しているのを見ると、この町の住民の道徳心に疑いを挟まざるを得ない。他の東洋国民に比し、道徳心がはるかに優れているにもかかわらず、確かに淫蕩な人民である」と。

    ペリー提督が、混浴を目にして日本人は淫蕩な人民であると断じてしまうところが欧米人らしいところではあるが、その先入観というか、当時の大らかな日本人の国民性を削ぎ落とすようなものの見方にはいささか抵抗を感じないでもない。

    とにもかくにも、彼はここでははっきりと混浴を淫蕩な行為とみなしているわけである。

    入浴自体は何も淫蕩ではあるまいに、ただ男女が混浴状態にあること自体がとにかく淫蕩という認識である。

    しかしながら、何も当時の日本人が混浴までして自ら淫蕩でありたいと望んでいたわけではない。

    ましてや、当時の人々は混浴を淫蕩なるものとしては意識さえもしてはいなかった。

    しかもすべての日本人が混浴していたというわけでもない。

    もとより都市部の余裕のある暮らしをしていた人間はこうした習俗には染まらないし、染まる必要もなかった。

    何故なら、そういう人間は自宅に自前の風呂の設備があるわけで、その燃料費にも不自由はしないからである。

    銭湯などで人前で肌を晒す必要などないのである。

    家に風呂などない一般庶民の方が多かった。

    淫蕩などと決めつけてしまうのは、貧しい庶民の生活環境をまったく配慮しない一方的なものの見方と言わざるを得ない。

    しかも明治期以降の西洋的文明観が、ますますそういう意識を強めていったのである。

    文明開化の波にに乗った都市部の文化人が、ひとたび鄙びた温泉地を訪れるとやたら混浴は淫蕩だと言い出す。

    結果混浴そのものを法律で禁じ規制した。

    その流れのまま、現在では混浴自体ははっきりと公衆浴場条例で規制されてしまっている。


    30年以前、九州の温泉地に家族で出かけたとき、地元の共同の温泉場に入ったことがあった。

    地元の古くからの施設ということで、外来者は入浴料を随意箱に入れるのだがそこの風呂場に仕切りが一切なかった。

    いわゆる伝統的な混浴浴場である。

    私と子供たちはそのまま入浴したのだが、混浴の風習を知らない家内はどこかで水着に着替えて後から入ってきた。

    水着を着て入浴というのは、何だか変な感じである。

    しばらくしてそこへ地元のおじさんがいきなり入ってきたのだけど、水着姿の人間が入浴している姿を見て一瞬驚いたような表情を浮かべてみせた。

    おじさんにすれば、「なんじゃ、こりゃあ!」という感じであったろう。

    いまでは裸での男女混浴は淫蕩なものという認識と意識とが、わが温泉大国日本では日常的にすっかり定着してしまっているようである。

    しかしながら、いつの日か再び混浴が日本の温泉地で復活してくるのかもしれない。

    そうした予感がしないでもない。













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    2016年09月01日

    王様の主治医はどこの誰だか知っていますか?

    王様のお抱え医師とは?

    侍医とは古くは典薬寮に属し、天皇の脈を診、進薬を掌った医師をいう。

    昭和天皇の侍医団の真剣な対応は我々の記憶に新しいが、常にその時代の最高権威の医師と医療技術が投入される体制をも意味するものである。

    歴史的にみても大名や身分の高い人はこのような掛かり付けというより専属のお抱え医師団を持っていたわけである。

    と、堅苦しい感じで紹介すると息苦しくなるが、庶民にはまったく関係のないことだけに何と言うこともない。

    話は単純である。王室直属の専属医師団のことである。

    チャングムやホジュンの韓国ドラマを観ておられたら、その辺りはご存知であろうと思う。

    日本の天皇家の侍医団の場合は日頃から、毎日欠かすことなく朝と晩の二回、おぬる(体温)とお脈を頂戴して拝診し、かつ、「おとう (大便)」と 「おじゃじゃ(尿)」を拝見しつつ、さらにまた週一回は念入りな「定期拝診」が実施されるといった万全の体制をとって日夜その重い任にあたっていた。

    ここには歴史と伝統とに裏打ちされた格式そのものがあるだけに、侍医というものはそれ相応の身分が保証され権威もそれなりに高かった。

    現代の皇室の医師団も同様である。


    侍医ということでまず思い出すのは中世の曲直瀬道三(一五〇七〜一五九四)であり、その一門である。

    桃山時代より江戸時代にかけて宮廷と幕府に仕えた医家の名門である。

    初代の道三は天文十五年(一五四五)に将軍足利義輝の病を治療して効があり侍医となったが、さらには豊臣家、徳川家、細川家、三好修理、松永弾正、毛利元就など戦国の錚々たる武将に重んぜられた。

    それだけでなく医学教育や医書の著述でも大きな功績があり、我が国の実証医学の先駆けとなった名医であった。

    曲直瀬玄朔(二代目道三)も名医の誉れ高く、正親町天皇や式部郷親王、また関白秀次の治療でも効がありその侍医となった。

    文禄四年(一五九五)秀次は暴虐の振る舞いで秀吉によって自害を命ぜられたが、このとき玄朔は秀次の侍医として側に仕えていたということで気の毒にも陸奥の国へ流されてしまった。

    慶長三年(一五九八)後陽成天皇が病に倒れられ、名のある医家達が治療にあたるが効能なく、ついに玄朔の罪を免じて京へ招くことになった。

    玄朔が薬を献じたところたちどころに著効があり、天皇は短時日で治癒された。 


    戦国の大名で、こうした侍医集団の充実にもっとも力を入れたのが徳川家康であった。

    彼は多少太り気味ではあったが、日ごろから粗食で養生に努め健康管理には殊のほか注意を払っていた。

    家康自身が医術・本草学(薬物)に詳しかったことは当時のいくつかの記録からも窺えるし、三河にいたころは減慶、長閑という明人医師までも傍に召し抱えていた。


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    さらに家康は、天下平定後は久志本左京や半井、曲直瀬、野間、竹田といった一流の京の医師を揃えていたし、他に旧武田家に仕えていた板坂卜斉、片山宗哲などの名だたる名医が侍医として傍近くに控えていた。

    家康の場合はただ名医を側近く召し抱えるだけでなく、これらの医師に対しては常に新しい医学知識の習得に努めさせていた。

    それは長崎よりいち早く中国や朝鮮の医学書を取り寄せ、自ら研究するといった家康の積極的な対応にみることができる。

    たとえば朝鮮の『東医宝鑑』や中国の「本草綱目」を入手すると直ちに、侍医らに読ませていることでも分かる。

    そうした海外の医学情報にも家康はことのほか敏感であったわけである。

    家康は最良の医療が受けられることを念頭に、有能な侍医(奥医師)の体制を調えようとして高禄で召し抱え、しかも子々孫々まで医家として仕えることを命じた。

    ところが、当然といえば当然のことであるがこの医家の世襲、家禄を継ぐということの弊害が次第に現れてきたのである。

    要するにいかに医家の名門とて、そううまく名医がたて続けに出るわけがない。

    なかには医者に不向きな者や、見るからに愚鈍の子弟が目立ちはじめたのである。

    事は将軍家の健康管理、医療体制の根幹に関わってくる重大事である。

    こうなると幕府は家柄に関係なく、腕のよい藩医や町医からも一代限りという条件はあったものの次々に奥医師に抜擢するといった思い切った対応策を講じた。

    こうした奥医師といわれる者は二十人前後おり、六人づつ交代で江戸城に出仕し、同時に外科、眼科、鍼医が二人づつ三日ごとに出仕するという決まりであった。

    毎朝この八人の医師が総掛かりで将軍を診察(脈診)するのであるが、その様子は実におかしなものであった。

    通常この診察は午前中御髪番が結髪をしている最中にお脈伺いということで始まるのであるが、医師が二人一組になって左右より将軍の手を取って片方ずつ脈を拝見する。

    脈診中は医師は決して顔を上げることはできず、常時頭を低く垂れて前傾したままへんてこりんな姿勢でおそるおそる行うのである。

    このようにして四組の医師の代わる代わる脈診するのが徳川家の伝統的診察法であったが、実際のところどれほど機能したか疑わしい。


    これら奥医師は大奥の御台所や側室の定期健康診断も受け持っていたし、二の丸、西の丸にいる世継ぎらを診察してまわった。

    奥医師の頂点に立つのが典薬頭であるが、若年寄の支配下にあって幕府の医療行政を統括していた。 

    これを医家の名門半井・今大路両家が代々世襲したのである。

    この下にいる奥医師は二百俵高、御番料二百俵ぐらいの家禄で大した待遇ではなかったが、法眼・法印といった権威が与えられていたし、そのアルバイト収入が莫大であった。

    慶安三年(一六五〇)正月、奥医師狩野玄竹は幕府の命をうけ老中堀田正盛の急病を治療したが、これを首尾よく全治させて幕府より褒美として千両賜った。

    更に堀田家からも治療代として千両が届けられ、つごう二千両が薬礼となった。

    これが先例となって、これ以降奥医師の薬礼としては千両が通例となった。

    千両とは莫大な金額である。

    当時の1両の貨幣価値はというと、一両あれば普通の一家が1ヶ月間ゆったりと生活できたということから考えれば、このときの千両がいかに莫大な礼金であるかが分かるはずである。

    このように侍医の待遇がよいのは、その責任の重大さとまったく無縁ではなかった。

    かって朝鮮の李朝王朝においては、王の眼疾の治療に失敗してしまった医師団は即刻処刑されたのだという。

    まさに侍医とは、命懸けの職責であったのである。


    魏の曹操は、頭痛や眩暈(めまい)の持病で苦しんでいたが、そのこともあって天下の名医として知られる華佗を典医として傍に置いていた。

    華佗は巧みな外科手術による治療や内臓疾患の治療を得意とし、多くの薬物に精通した名医としても有名であった。

    華佗は曹操を診察して、持病の頭痛や眩暈は鍼治療で一時的に解消できるが、それだけでは根治させることはできないことを曹操に伝えた。

    そしてその病を根治させるには「麻沸散」という麻酔薬で麻酔をかけ頭部を切開手術しなければならないと言うと、猜疑心の強い曹操は手術にかこつけて自分を殺害するものと疑った。

    それでなくとも当時は典医といっても医者の身分はきわめて低く、華佗は士大夫としての扱いもされなかったことで不満が募っていった。

    華佗は典医という窮屈な状況を嫌っていたわけで、妻が病気であると偽って故郷へ帰ってしまい曹操のもとへは戻ろうとしなかった。

    このことに曹操はひどく激怒して、ついには彼を捕縛し投獄すると終には華佗を殺してしまった。

    周囲から華佗の命乞いがあっても曹操は「鼠一匹の命に何のことがある」といって怒りにまかせて殺害してしまうのだが、曹操の持病の頭痛や眩暈を治せるのは華佗の鍼の技量しかないことに後から気が付く。

    さらにには曹操の庶子で才気煥発な曹沖が病で倒れた時、適切に診断治療が出来る医者が傍におらず夭折させてしまった事を後々まで後悔することとなる。














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    ラベル:御典医
    posted by モモちゃん at 08:32| 歴史探訪 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

    2016年08月03日

    はるか昔の東洋名医伝シリーズ:九州筑後弁

    名医伝・筑後弁バージョン

    あるとき一人の老人が通り雨におうて人家の軒下で雨宿ばしとると、そんよちゃりしかけとるひゅうなか家の中から女のすすり泣く声が聞こえてきたげなたい。

    なかば覗いてみっと、母親が子供の枕元でうずくまるごとして泣きよるじゃなかね。老人は思わず声ば掛けたげな。

    外から突然声のしたけん女は驚いて泣きはらしとった顔ば上げたげな。

    老人は静かに語りかけたとげな。そん優しか老人の言葉に、母親は気ば許して事の次第ば話はじめたげなたい。

    母親の話によっと、子供の病状が一昨日より急に悪うなって、診てもろっとた医者はもう手の施しようがなかち言うて帰ってしもうたげな。

    子供の意識は無く命はいくばくもなかごたる様子で、もう死を待つばっかりちゆうて母親は泣き崩れたげな。

    老人は気の毒に思うて、オリは医術の心得のあるとばってん、こんまま見過ごすとはどげんしてん心残りじゃけん、オリにそん子供の脈ば診さしてもらえんじゃろかち言うたげな。


    老人は一通り子の脈ば診ると、母親に父親の所在ば尋ねたげな。こん子の父親は既に亡く、いままで母一人子一人で暮らしてきたげなたい。

    老人はその答えに頷くとこげん言うたげな。「やっぱしこん子の命は絶えそうばい。そもそもの原因はこん子が母親の陰の気ばっかし受けて育てられとって、父親の陽の気に包まれんやったとがいかんとたい。

    そしけん体内の陰陽の調和のとれんごとなったとばい。一刻の猶予もなか」

    そこで老人は母親に起死回生の妙法ば教えたげな。母親は子供の命が助かるかもしれんち知って、老人の言うたごと村中にある若衆宿さん直にだだ走りで走っていったげな。

    そこん家では元気盛りの若者が幾人も泊り込んで共同生活ばしよったとばってん、そげん広ろうもなか部屋の中は若か男たちの熱気で溢れかえっとったげな。

    母親はその部屋さん駆け込むと、若者たちが遊びよった将棋ん駒ばひったくるごとして掴み取ると、だだ走りで家に帰ったげな。

    そん将棋の駒ば土瓶で煎じて子供に飲ませたところ、生死ば彷徨っとった子供は奇蹟的回復をみたげなたい。──

    ここに登場する老人こそ、朝鮮医学の集大成ちいわれとる医学書『東医宝鑑』ば17世紀初頭に編纂した名医許浚その人じゃったげなたい。

    そん許浚ちいう人は家庭的にはいっちょん恵まれとらんやったけん、もともとよか環境で育ったわけじゃなかったとげなたい。

    いわゆる妾腹の子で、苦学して医ば志したげな。逸話にもそげんか許浚自身の幼少時の境涯が反映されとるとかも知れんたいね。

    こん話はなんか馬鹿馬鹿しか、荒唐無稽の作り話じゃなかかと思われる向きもあるやろうたい。

    ばってんこれによう似とる名医の話が、後漢時代に活躍したちいう華佗の伝の中にもあるとたい。

    東陽県の陳叔山の一歳の餓鬼が下痢が止まらんごとなって、だんだんに衰弱していったこつのあったげな。

    方々手ば尽くしたばってんどげんしてん病状が良くならんけん親父が心配して、名医ち名前の聞こえた華佗のもとさん遠路訪ねてきたとげなたい。

    華佗は一通り病状と経過ば聞くげっと、親父に向かって詳しか説明ば始めたげな。「そん子の母親は次の子ばすでに妊娠しとるはずばい。そしけん母乳中にもともと含まれとるはずの母親の陽の気が、はらん胎児ば養うとにばっか吸収されてしもうて、そん母乳は子供ば養うとには不十分な冷たか陰の気にばっかし偏ってしもうとるとたい。
    そしけんそん子がいまんごつ陰の気の充満した冷たか母乳ばっかし飲みよるげっと、こん病は回復せんじゃろう」と、明解な病理、病機ば示したげなたい。


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    中国には「名医、棺を返す」ち言うごたる名言のあるげなたい。

    これは名医ちゅうもんは死人さえも生き返らせるちゅうごたるニュアンスのものかと思うばってん、扁鵲がそげんやろうし、唐時代の孫思邈(五八一〜六八二)の伝にも、これとぴったっと当てはまるごたる話が残されとるとばい。

    孫思邈はある日、往診の帰りに棺ば担いでいきよる行列と遭遇したげな。

    ようっと見るとその棺の底からはぽとぽと血が滴って落ちとるじゃなかね。

    不審に思うた孫思邈は行列に泣きながら付いていきよる老婆に、いつ亡くなったつか尋ねたげな。

    孫思邈が医者ちゅうこつが分かると、老婆は一人娘が難産で二晩苦しんで出産でけんで数時間前に死んでしもうたちゆうて、泣きながらどげんかして生き返らせてくれと懇願してきたげなたい。

    棺の蓋ば開けさすっと、中の若か婦人はもう血の気の退いて顔色は蝋のごたったげな。脈ばとってみると、ちょこっと触れてくるじゃなかね。

    孫思邈はまだ望みがあるち思うて、素早く鍼ば取り出し経穴を定めて打ったげなたい。

    しばらくすると妊婦の気が動いて、顔に血の気がさし生気が蘇ってきたとげなたい。

    脈が強よなってくなると、突然妊婦は産気づいてきて棺の中から「オギャア、オギャア」ちゆう産声が聞こえ、そんまま赤ん坊が生まれたとげな。


    こん成り行きには、周りの者も驚き大歓声ば上げたげなたい。何と名医孫思邈は鍼一本で母子二人の命ば救ったとばい。

    こげん孫思邈は名医としての誉れ高く、今でん中国では仁術ば身をもって示した医者として尊敬ば集めとるとげなたい。















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    ラベル:伝承記録
    posted by モモちゃん at 09:19| 歴史探訪 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする