2018年05月21日

人造人間とお付き合い出来ますか!?

人造人間が新しい歴史を作る!


「ペッパーの父は孫正義ただ一人」 ソフトバンクが要請2018年1月23日
https://www.asahi.com/articles/ASL1R4WFQL1RULFA022.html



2014年、世界初の感情を認識するヒト型ロボットとして誕生したソフトバンクグループの「Pepper(ペッパー)」は、その翌年には19万8000円で一般に販売された。

Pepperは、声、触覚、感情表現により人とコミュニケーションを図ることを目的に作られ た人型ロボットであり、コンパニオン機能が強調されている。

いよいよ人間と会話が出来るロボットが一般家庭にやってくるというわけで、人造の人型ロボットと共存するSF世界がついに出現したことになる。

動物型ロボットで癒し効果を出すというものもすでに登場してきている。

こうした発想は現代突然発生してきたものではない。

古代からロボットや人造の創造物は考えられていたことである。

SF小説にも度々登場してきたわけで、そうした意味ではそれほど無関心でいられる話題ではない。

人工頭脳を持った自立型AIロボットが人間と敵対する、あるいは人間を支配しようとするSF映画なども少なくはない。

逆に、そうした人造人間に理想的な個性を見出して恋愛の感情を抱くというSF小説も確かにあった。

50年以前、SF小説の専門誌であった「SFマガジン」に掲載されていた「10月の朝」という短編小説がまさにそれであった。

作者名は忘れたが、半世紀経ても記憶に残る鮮烈なイメージを残してくれた。

そこで気付いたことは、人間はロボットの類を好ましく可愛いとイメージできる場合と、それとは逆に不気味だ、怖いと意識して忌避するすることがあるということが考えられるのである。

つまりその仕草や話しぶりが人間そっくりであることがことさら好ましいことなのか、あるいは人間に似過ぎることが何やら得体のしれない異質の存在として認識されてしまうのかどうかということである。

これは人それぞれの受け取り方であろうが、これがロボットや人造人間の本格的な登場と共に人間社会で新たなストレスを発生させることになると予想している。

このことがただの杞憂に過ぎないのかどうか、ここらが近未来的にはもっとも気になるところである。


荒唐無稽な話しだろうといわれてしまいそうであるが、今回はそれに輪をかけたような奇怪な話を紹介したい。

というのは、こうした事例はすでに過去の人類史の記録の中にいくつか散見できるからである。

まずはそれらを紹介していきたい。

不可解な話と思ってはいっても同じような話がたて続けに出てくると、これは一体全体何だというなんだろうということになるのだが、ありふれたSF小説の類ではないのは確かである。

過去の歴史上の有名な人物が登場し、しかも密かに人造人間製造にも関わってい たという意外や意外、何やら奇妙奇天烈な話なのだ。

しかもそれが歴史が古く2千年以上も昔の話だから、当然そこには何の科学的根拠もそれらしい発想さえもなかったのではと誰もが考えがちである。

ところがどっこい話が話だけに、逆にそうとばかりはいえないような部分も出てくるからなお更この話は珍奇でおもしろいことになってくる。

意外なことにそれらの事例は、人造物そのものが画期的な発明であるとかいった前向きな捉え方がされているわけではない。

むしろ人型の創造物が人間さながらの振る舞いをすることに、驚きとともに言いようのない不気味さが醸し出されている。

ここらが現代の人造ロボットの登場とはまったく異なっている。


その1つは、歌人として名高い西行(1118〜1190)が高野山の山奥で修行中に、不思議な「反魂の秘術」を使って密かに人間そっくりの者を造ったという逸話がある。

それこそ人間の姿をした人形かアンドロイドかといったところである。

西行は山中にこもって、ついにその「人間そっくりの者」をどうにか造り上げる。

しかし、ようやく出来上がったその人造人間は顔の色艶も青白く、符抜けた笛のような奇妙な声でぼそぼそ喋るので、なおさらに薄気味悪く思えてとうとう終いには山奥に捨ててしまったのだという。

こうなると西行は、優れた細工師かエンジニアかということになる。

歌人、僧侶というのは仮の姿であったということで、これなどは西行の経歴には多くの謎が隠されているといわれることにも繋がってくるような突拍子もない話なのだ。


西行はその後に京にのぼり、当時の秘術の大家として知られていた伏見前中納言師仲卿のもとを訪ねこのときの経緯を詳細に話す機会があった。

そして自分が試みた「人間そっくりの者」製作過程の手順や材料についてもあれこれと謙虚に教えを請うたという。

中納言は一通り西行の話を聞くと、彼が行った「反魂の秘術」そのものが未熟なのを指摘しただけでなく、さらに技巧的な修行によって奥義を極めれば本物そっくりの人造人間が確実に造れるのだとも語った。

そして実際に、かって中納言が造った人造人間のなかには大臣にまで出世した者がいると言って愉快そうに笑ってみせたのであった。

これは一つのブラックユーモアであろうが、今でいうところの培養されたクローン人間ともとれるわけで何とも恐ろしげな話ではないだろうか。(出典『撰集抄』参照)



実は西洋にもこれによく似た同じような話がある。

十三世紀最大のスコラ哲学者、科学者と して有名なレーゲンスブルクの司教アルベルトゥス・マグヌス(1206〜1280)は、化学、医学、精密機械工学、天文地理学といた科学全般に精通していた著名な学者でもあったが、その彼が20年以上の歳月をかけてついに全自動の機械人間・アンドロイドを造り上げたという不可思議な話がある。

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マグヌスが心血を注いで制作したその画期的機械人間は自ら歩き回り、人を相手に会話し、さらには召使として雑用までこなしたという優れ物であったという。

ところがある時、彼の家を訪ねてきた弟子のトマス・アクィナスと人造人間が会話していたのであるが、どうしたことか人造人間はトマスをひどく怒らせてしまった。

人造人間の応答は少しも面白くなかった上に、トマスにむかって小馬鹿にしたような傲慢な受け答えをしたのである。

激昂したトマスは、終いには傍にあったハンマーでその人造人間を叩き壊してしまった。(出典『太古史の謎』アンドール・トマス著)

一説によると、トマス・アクィナスはおしゃべり好きな人造人間の言葉遣いが原因で怒ったのではなくて、あまりにも人間そのものにしか見えないその者の言い知れぬ不気味さに恐怖を覚えて無我夢中で壊してしまったのだともいう。

不気味過ぎる存在ということでは、何やら西行の人造人間の製造失敗話とも似ているわけで、このあたりは非常に興味深いところである。

意外なことに、こうした人造人間(ロボット)に敵意を抱く人間は現代でもときたま見られるのである。

「 ロボットを殴り倒した男、ロボットに通報され逮捕 ?? シリコンバレー
カリフォルニア州・マウンテンビュー(Mountain View)警察によると、2017年4月19日、マイクロソフトとグーグルのシリコンバレー本社の近くにあるスタートアップKnightscopeの本社・駐車場で、警備ロボットを殴り倒した41歳のハードウエアエンジニアの男性が逮捕された。」
https://www.businessinsider.jp/post-33193


ここではロボットに対する何らかの違和感や差別意識が働いていたのかもしれないのであるが、いずれこうした問題が近未来の社会では多発してくることであろう。

外見だけでなく、人造人間は限りなく人間そのものに近付いていくであろうが、やはりそこにはいくばくかの不気味さは伴うように思える。


似たような話は、実ははるか古代にも事例があった。

古代中国にもこの手の奇怪な逸話が伝わっていて、たとえば魏の二代目明帝(在位226〜238)はこうした機械仕掛けを好むということで広く知られていた。

宮廷内でもいろいろな精巧な機械類を造らせていたが、なかでも曲芸や舞踊、器楽演奏までこなすカラクリ人形がことの他お気に入りであった。

同じ頃、隣国の呉の大帝(229年 - 252年. 姓・諱, 孫権)も明帝と競うようにして自分で歩くカラクリ人形を造らせていたのだが、皇后がその人間そっくりの美男の人造人間にすっかり魅せられてしまい、 これに嫉妬した皇帝は直ちに人造人間を破壊するように命じたという逸話がある。

古代中国ではこうした特殊な工作技術を、一部では「怪術の法」と言われていた。

いまでいうところのロボット電子工学か精密工学の部類である。

王族や貴族階級の間では、こうした特殊なカラクリ技巧が持て囃されていたようである。



さらにこれに繋がる最古の事例として出てくるのが、古典籍『列子』湯問篇に紹介されている3千年近く前の逸話が特に有名である。

ここらもちゃんと文献史料として残っているわけである。

周の五代目天子穆王(? - 紀元前940年)の時代に、偃師という名工が見事なカラクリ人形をつくり上げ、それを王に献上したのだという。

そのカラクリ人形の立ち振るまい、舞い踊る姿を見て穆王は本当の人間ではないかと一瞬錯覚するほどであった。

ところがこの人形は王の寵姫にこっそり色目をつかい、このことで穆王の逆鱗に触れてしまう。

人形は、女性から見れば理想的なイケメンそのものであったのだ。

これに嫉妬した穆王は怒りに任せて、いきなり人形を叩き壊そうとする。

これも無理からぬ話であって、呉の大帝と同様に王様というのは殊のほか嫉妬深いのだ。

これには製作者の偃師も大いに恐れ入って、穆王の目の前で直ちに人形をばらば らに分解してすべての仕掛けを見せたのである。

ただの人形なんですと言うわけである。

現代の人造ロボットであれば、電子部品が胴体にたくさん組み込まれているのと同じである。

その人形の体は、革や木片、にかわ、漆、白黒、丹青など多くの素材を集めて精巧に造ら れていたのであるが、穆王がよく調べると内部には内臓として肝・胆・心・肺・ 腎・腸・胃の五臓六腑が、外部には体を支える構造として筋骨・関節・皮毛・歯髪がそれぞれ似せて造ってあって人体の構造として形が見事なまでに揃っていた。

つまり、それらの各部品を複雑に組み合わせていくと元の人形の姿になるというわけである。

穆王は内部構造を興味深く観察しながら、ためしに人形の胸から心の臓を取り外してみた。

するとどうしたことか、たちどころに人形は舌がもつれた様になってうまく喋れなくなってしまった。

これをみた穆王は、面白いと感じた。

次に王が肝の臓を取り外すと人形の目が、まったく機能しなくなった。

次に腰の脇から腎の臓を取り外してみると人形は、力が抜けたようになって立って歩けなくなってしまったのである。

ここではじめて穆王は精巧で緻密な人形の構造に驚き、思わず感嘆の声を上げたのであった。──。


残念ながら古典籍『列子』自体には、これ以上の詳しい状況説明はされていない。

3千年も前にこのような精巧な人造人間が造れるかという疑問はさておき、こういう話は後世過去の人物の名を借りて創作されたと考えられるわけだが、それにしても愉快である。

なぜこのカラクリ人形は、体内の臓器部分を取り外すと喋れなくなったのか、なぜ目が機能しなくなったのか、なぜ一歩も歩けなくなったのか。

現代人から見るとその理由が判然としない。

残念なことに現代人にはそれを説明できるような情報は持ち合わせてはいない。

実はこれを種明かしして詳しく説明するには、さらに中国医学的謎解きが必要なってくるのである。



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その謎解きがされると、この話しはさらに奥深いものになり格段に面白くなる。

つまりここでの古典『列子』の記述内容自体は、古代の中国医学の解剖学的な五臓と身体機能との相互の生理的関係がそれぞれに示されていて非常に興味深い部分なのだ。

実際に中国古代の医学書 『黄帝内経』の身体機能に関連する記述内容と逐一符合していて、ここらは一層興味が湧いてくる筋立てとなっている。

要するに、当時の医療に直結した解剖学や生理学の知識が網羅されているということである。

たとえば心臓と舌の生理学的関係は、『黄帝内経』では、「心は舌を主る」(陰陽応象大論)、「心気は舌に通ず」(脉度篇)と書かれている。

心臓と舌とは特別な機能的関連性があるのだという。

心臓機能の異状は、舌の動きにも機能低下をもたらすというのだ。

また肝臓と目については、「肝は竅を目に開く」、「肝は目を主る」、「肝気は目に通ず」、「肝和するとき則ち能く五色を辨ず」、「肝は血を受けて能く視る」というように記述されている。(金匱真言論・陰陽応象大論・脉度篇・五臓生成論)

肝機能の低下は、視力や目の機能の異状をきたすというのである。

このように『黄帝内経』では、五臓六腑の解剖学的情報とともに、これらの内蔵と身体機能との生理学的関連性が詳細に書かれている。

内蔵が病気で冒されると、それに関連した身体機能が低下し失調するという当時の病理観にもそのまま繋がる。

驚くべきことであるが、古代中国では数千年以前にすでにこうした詳細な内蔵の生理的機能と身体の関連性が医学情報として知られていた。

古代の医学書『黄帝内経』はそうした医学情報の宝庫でもあるのだ。

古代中国では、一時期当時の西洋文明をはるかに凌駕した自然科学的な人体考察がされていたということになる。

それらが文献情報として残されているということは、これらの医学的情報が当時の知識人にも伝わっていたということになる。

つまりここでは、心臓の機能が変調をきたすと舌が腫れて喋れなくなったりするという意味である。

またここでは肝機能の異状によって網膜の機能異常や視力の低下が現れるともいうのである。

腎機能と歩行機能との関連でも同様で、古代の中国医学的な情報を求めるならさしずめ「腎は骨を主る」(宣明五 気篇)とその関連性は書かれている。

「腎は骨を主る」とは、腎が正常に機能しなくなると体を支える骨の成長や再生が損なわれ、骨そのものが脆く弱くなるという。

これは腎機能の衰えが老化とも関連があって、骨が次第に脆くなることをも意味している。

さらには、「腰は腎の府、転揺する能わざるは腎将に憊んと す」、「筋骨解堕師、・・・歩行正しからず」(上古天真論)ということで、腎機能が弱れば足腰が衰えて萎えてしまうとされるのである。

つまりこの古代中国の人造人間の話は突き詰めていくと、見事なまでに当時考えれらていた古代中国の医学理論に基づいた生理観や病理情報を直裁に取り入れていることがわかるわけで、これがこの話の肝心な謎解きの部分というわけである。

ここらは奇妙というかミステリアスな展開である。



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    ラベル:人権問題
    posted by モモちゃん at 07:54| 歴史を先取り | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする